若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

またもや「ライオンの糞」

去年、JR西日本が、鹿など野生動物による列車事故を防止するため、沿線にライオンの糞をまいたことは、この欄でもとりあげた。

効果はあったものの、強烈な臭気のため作業は中断したままになっている。
今年になって、JR東日本が、釜石線沿線のカモシカなどによる列車事故防止のため、JR西日本にならって、ライオンの糞の散布を行った。

三度の散布で事故はゼロと、はっきり効果が認められたが、やはり臭気が大きな問題となり、作業員はもとより、沿線住民からの苦情が殺到しているそうだ。
沿線に住む、便野出太郎さん(49歳)は、「くさくてたまらん!これは糞害だ!」と憤慨している。

臭気を別にすると、JR西日本JR東日本の実験により、ライオンの糞が鹿などを寄せ付けないという事実は確認されたわけである。
昨年、この欄で紹介した、肉食獣の糞利用の権威、モスクワ大学糞学部教授、ゲリベン・クソシリスキー教授の、「クソシリスキーの法則」の正しさが立証されたと言える。
今回の結果は、直ちにモスクワ大学にも伝えられ、クソシリスキー教授の未亡人、ベンピスカヤさんは、「主人の業績が遠い日本で認められ、こんなうれしいことはありません」と語った。

今回のJR東日本の作業方法はあまりに原始的である。
動物園で分けてもらったライオンの糞を水で溶かし、じょうろで散布したというのだ。
強烈な悪臭に失神する作業員が出たというのも当然だ。

そこで、JR東日本は、岩手大学に依頼し、ライオンの糞から草食獣が嫌がる成分を抽出し、化学的に合成する作業に着手した。

この計画に、若草鹿之助商店ライオンの糞事業部は賛成できない。
貴重な自然を守り、環境を保護する観点から、化学合成という手法に反対する。

若草鹿之助商店では、独自の技術を開発し、ライオンの糞を超低温、高圧下で一気に乾燥、固形化することに成功した。
フリーズ・ドライ製法(特許出願中)である。
この製法によって固形化したライオンの糞をすりつぶして粉にし、使用直前に水で溶かすのである。
お好みによって、ミルクを加えると、臭気がいっそうまろやかになる。

糞を粉にして、これがほんとのフンマツだ。