若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

ライフル銃

きのう散髪に行ったら、主人が新しく買ったライフル銃を見せてくれた。
この人は、猟が好きなのである。

「前は、雨でも雪でも出かけたもんやけど、トシやねえ、このごろは、『明日雨かもわからんなあ、やめとこか』やもんね」

私は、猟にも銃にも興味が無いので、せっかくの新しいライフルも、どこを見ればよいのか、どうほめてよいのかわからなかった。
とにかく銃を間近に見たのははじめてである。

主人は、「フランス胡桃の木目」が、とか「節が」とか言っていた。
上等は何百万円もするらしい。

銃を持つには許可が要る。
申請すると、警察が調べに来る。
本人はもとより、近所にまで調べに行くらしい。
やくざ風の人間が出入りしていないかとか、夫婦仲は良いかとか聞いて回るという。

アメリカは銃の国だといわれる。

昔、スリーマイルズ島で原子力発電所の事故があって、付近の住民に避難命令が出た時、住民達が、まず銃砲店で弾丸をたくさん買い込んだという話を聞いて驚いたことがある。
アメリカのお父さん達は、「非常事態発生」というと、銃と弾丸を用意するものらしい。

憲法で、銃砲所持の権利が認められているということ以外に、そういう「文化的側面」からも、アメリカでは銃規制に反対する声が強いのだと思った。

しかし、それはおかしいと言うアメリカ人もいる。
西部劇で有名なワイアット・アープは、テキサス州ルイビルの保安官であった。
町の住人達が、治安の悪さに危機感を抱いて、腕利きで評判のワイアット・アープを雇って、町に銃を持って入るのを規制しようとしたのである。
このときのルイビルという町は、現代のニューヨークやシカゴよりずっと安全だったそうである。

以前知り合ったアメリカの若者は、子供のころ、銃で空き缶を撃って遊んだと言っていた。

思い出した。
私も子供のころ銃を持っていた。
紙の火薬を使うもので、結構大きな音がしたし、硝煙のニオイもした。
今にして思えば、実に危険なおもちゃであった。

あるとき、銃を撃ち合って友達と遊んでいた。
私は、紙の火薬をポケットに入れて走り回っていた。

突如、摩擦で火薬がパンパンと破裂しだした。
ポケットから黄色い煙が出てきた。
私はあわててズボンを脱いだ。
あわてすぎてパンツもいっしょに脱げてしまった。

敵は、銃を片手に下半身丸出しのガンマンを見て笑っていた。