今月号のギター雑誌の「メンバー募集」
「クリスチャンロックをやりたい」
なんじゃ、それは?
この人はクリスチャンで、日曜には教会に通っている。
「ガンズやエアロやモトリー」といったバンドのファンで、「歌詞はあくまでキリスト的なものにしたい」そうだ。
みんな私の好きなバンドだが、とてもキリスト的とは思えない。
不信心、不道徳なものどもだ。
なにを考えているのか。
「60cmほどのハーモニカ」を吹ける人が、「私を使ってみませんか」と言っている。
都内でライブ活動中のバンドがドラマーを募集している。
「ここまで飛ぶ鳥を落としてやってきました」
乱暴ではないか。
飛ぶ鳥を落とす勢いで、だろう。
飛ぶ鳥を落とす勢い、というのもヘンな言葉だ。
どんな勢いか?
勢いで鳥が落とせるか?
飛ぶ鳥、といえば、昔読んだ「犬つくば集」に
飛ぶ鳥を祈り落として食われけり尊くもあり尊くもなし
行者が念力で鳥を祈り落とした。
すばらしい行者様だと感心していたら焼き鳥にして食ってしまったというのだ。
かと思うと
飛ぶ鳥の祈れど落ちぬ空を見て行者は弓を持ちて出でけり
破れかぶれだ。
はじめの歌は「とんちクイズ系」で、「尊くもあり尊くもなし」って、な〜に?というクイズだ。
面白い答を考えて上の句にする。
いろんなパターンがある。
たとえば、「切りたくもあり切りたくもなし」ってな〜に。
有名な答が、「盗人を捕らえてみれば我が子なり」
しょーもない答だ。
「さびしくもありさびしくもなし」には
「世をそむく柴の庵に銭持ちて」
世の中がイヤになって人里離れた所に一人で住んでいる。
さびしいようだけどさびしくない!
だってお金いっぱい持ってるもんね!
「醒睡笑」に似たような歌がある。
一休禅師が住吉に住んでいたときに詠んだ歌だ。
住吉と人は言えども住みにくし銭さえあればどこも住みよし
「醒睡笑」の中で好きな話。
小金をためた男が全財産を壷に入れて庭にうずめた。
埋める時、金に向かって、「やい、オレ以外の人間が掘り出したら、蛇になるんだぞ」と言った。
隣の男がその場面を盗み見ていて、金を埋めた男が外出した時、掘り出して金を取って蛇を入れておいた。
帰ってきた男が、壷を掘り出すと蛇が入っていたので驚いて
「オレじゃオレじゃ!もう見忘れたのか!」