若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

秋の叙勲

以前、会社の取引先である信用金庫の理事長が勲章をもらったとかで、内祝いをもらった。
昨日、また何かくれたので、今度は何かと思ったら、皇居の園遊会に招かれたお祝いだそうだ。

ああ、そーですか。
あらたまって、おめでとうございます、と言う気にはならない。

朝刊の地方版に、お隣の奥さんの弟さんの写真が出ていた。

秋の叙勲で、「瑞宝双光章」を受けられたのだ。
心から、おめでとうございます、と言いたい。

何年か前、お隣のおばあさんが亡くなったとき、葬儀の受付を手伝った。

ごく普通の葬儀であった。
通夜の受付にいると、式場の駐車場に乗用車が何台か入ってきたと思うと、続いて大型観光バスがついた。
ぞろぞろと人が降りてくる。

いったいなんだろうか。
バスから降りた人が次々に記帳にやってきた。

黒滝村 ○山太郎」
黒滝村 △川好子」
黒滝村・・・」

黒滝村!?
奈良の山奥だ。

黒滝村から、観光バスでお通夜とはどういうことかと不思議に思って、記帳を済ませた老人に尋ねた。

亡くなった方の息子さんが、三十年にわたって黒滝村の診療所で医療に携わっておられるということであった。

「先生は黒滝村の命の恩人です。いや、これは、言葉通り、私らの命の恩人なんです。先生のお母さんが亡くなられたということで、村中でやってきました」

新聞によれば、37歳のとき、当時の村長に懇願されて、常駐の医師がいなかった黒滝村の診療所長になられたそうだ。
以来36年間の僻地医療への貢献が認められて、今回の受章となったものだ。

心からのお祝いを申し上げて終わりたいところであるが、この「瑞宝双光章」が気に入らん。
今回、奈良県内から56人の方が受章されている。
一番いいのが、「旭日小綬章」、次が「旭日双光章」、以下全部で6段階ある。

瑞宝双光章」は、今回出ている中で下から2番目だ。
素人名人会」なら、「まあいいで賞」ではないか。
36年間僻地医療一筋に生きた方に、「まあいいで賞」とはなにごとじゃ!

旭日小綬章」をもらった人の肩書きは、「地方自治」となっている。
県会議員や市会議員を務めた人達ではないのか。

めでたいが納得できない。