若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

アホウドリの恋

朝のNHKテレビで、沖ノ鳥島アホウドリを取り上げていた。

沖ノ鳥島アホウドリを繁殖させるため、アホウドリの模型を90体ほど置いた。
猟で水鳥をおびき寄せるための木製の模型をデコイというそうだ。
作戦は成功して、アホウドリが集まってくるようになったが、一羽のオスが模型のひとつ、デコイ22号に求愛するようになった。

観察を続けている山階鳥類研究所は、デコイ22号に求愛するこのオスを、デコちゃんと名づけた。
子供の名前みたいでヘンだと思う。
求愛しているのだから立派な大人だ。
デコさんと呼ぶべきだ。

デコさんが、たまたま何かの勘違いで模型と恋に落ちてしまったというなら、一時の気の迷いで人間でもよくある話だ。
ところが、デコさんはなんと9年間、繁殖期になるとデコイ22号に求愛し続けていると言うのだ。
9年間!
こうなると笑い事ではない。

はじめのうちは無視していたデコイ22号も、最近では迷惑がるようになり、「ストーカー行為禁止条例」に基づきデコさんを近づけないよう警視庁に訴えた。
警視庁による警告を無視して、デコさんはその後もストーカー行為を繰り返したため逮捕状を取ったが、デコ容疑者は飛んで逃げてしまった。

テレビでは、「悲しい恋の物語」と言っていたが、納得できない。
まず、「アホウドリ」は「悲しい恋の物語」となじまない。
私の偏見と差別で、アホウドリには申し訳ないが、白鳥なら「悲しい恋の物語」になると思うのである。

それに、どう考えてもデコ容疑者はおかしい。
他のアホウドリは模型に求愛なんかしていないのである。
デコ容疑者は、変質者というか変質アホウドリというか、健全なアホウドリとは言えないのではないか。

アホウドリの女性と付き合うことができなくなったデコ容疑者の精神構造を、生育歴、アニメやゲーム、インターネットの影響などを含めて調査する必要がある。

デコ容疑者だけでなく、デコイ22号の調査も必要だ。
90体もある模型の中で、デコ容疑者はなぜデコイ22号にだけ執着するのか。
デコイ22号の魅力は何か。
あるいは、挑発的だったなど、落ち度があったかもしれない。

男女関係は微妙であるので、一方的に決め付けることはせず、生理的心理的研究が必要であろう。

模型に求愛するなんて、これがホントのアホウドリなどと心無いことを言う人を私は絶対に許さない。