若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

セミ

先週、庭でセミが一匹死んでいた。
おお、もうセミの季節か、どんどん出てくるなと思ったが、全然出てこない。あのセミは大変なフライングを犯したようだ。陸上競技ならやり直し。

神様がいるなら、「あちゃー!」と土の中に戻すと思うが、戻さないところを見ると無神論有利。それにしても、実に孤独な死を死んだものだとあわれになる。

あのセミの死は、早死にとか若死にとかいうべきものだろうか。土の中から出てきて一週間ほどたっているなら天寿を全うしたといえるだろうか。

ん?
セミって同い年か?毎年無数のセミが鳴くが、全員同い年なのか。土の中で七年とする。土から出て生きているのが約一週間とする。
同い年だ。

なんかおかしいな。
全員同い年の生き物なんているか。
土から出て五日で死ぬのと十日で死ぬのとでは寿命が倍ちがうともいえる。
人間の感覚で「年齢」を当てはめるのは間違っているかもしれない。

しかし、土の中では七年。人間や他の生物と同じく、地球のなにかの周期を感じ取って生きているはずだ。
「年齢」を当てはめてもよさそうだ。
地軸の傾きや地球の公転や北極星の角度などを頼りに土の中から出る日を計算しているのだろう。

セミにそんなことができるか?神様がかわりにしてやってるのかもしれない。
有神論有利。

夏、次々と現れてミンミン鳴いては死んでいくセミたちが全員同い年というのはちょっと納得できない。
人間でいえば、セミたちは同級生ということになる。
学校の教室以外で毎年毎年同い年のものが集まる場所はない。

セミにとって、この世は教室だ。広いではないか。
先生がいない。神様が先生か。
有神論有利。

あれだけうるさい教室となると、小学校低学年の教室だ。
先生がいれば黙らせるはずだ。
無神論有利。

かましく騒いでいた小学校一、二年生が、次々と死んでクラス全員いなくなる。それはおかしい。
セミはやっぱり同級生ではなさそうだ。

毎年見かけるセミたちは同い年なのかどうか。
大きな問題を抱え込んでしまった。