若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

暑い

言わなくてもいいけど暑い。

暑い夏というと、長女が生まれた夏だ。赤ん坊にクーラーは悪い!と思い込んでいた私たちは、その夏クーラーを使わなかった。
翌年、冷やしすぎなければ害はないと書いてあるのを見つけて、一も二もなく信じ込んですぐクーラーを使った。

生まれた年クーラーを使わなかったおかげで、長女は
1.涼しげな子になった。
2.暑苦しい子になった。
どちらか選んでください。

もう一つ暑かったのは、大学の夏休みに塗装工場でアルバイトをした時だ。
雑用係みたいなものだったが、ボイラーのある作業場は特に暑かった。

なんでも人力でやっていたので、何をするにも大変であった。荷物の積み込みをしていた時、涼しい風が吹いてきた。運転手のAさんが、「あ〜!一吹き千両やな〜!」と言った。その古典的表現に感心した。

運転手のBさんはいいかげんな人だった。Bさんの助手で配達に出ると、必ず自宅に寄って休憩した。会社で言ってはいけないと釘を刺された。
いつも奥さんが粉末ジュースを作って出してくれた。
Bさんは自宅で粉末ジュースでくつろげただろうが、私にとってBさん夫妻の前で粉末ジュースを飲むのは特にうれしいことではなかった。

その工場は、九州や四国の中学を出た若者が多かった。
私と同じような年だったが、皆どことなく大人びて見えた。
彼らの多くが実家に仕送りしていると言った。これは、バイト代で北海道旅行をしようとしていた私にとって衝撃的であった。

お盆休みは三日だった。鹿児島出身の事務の女の子がいた。
工場長は私に、「日本調美人の○○ちゃん」と紹介した。

彼女は、家まで18時間かかると言った。行きに18時間帰りに18時間。
お盆に帰ってもゆっくりしていられるのは一日だけだという。

「それでも帰りたいの?」
「帰りたいよ〜!」

かなりの大人に思えた日本調美人の彼女が、急に身体をよじって子供みたいな声を出したので焦ってしまった。
別に焦る必要はなかったですが。