若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

空海

空海は、日本思想史上にそびえる巨人である。

と言われて、そうだ!と叫べる人は少ないであろう。えらい人なのだろうが、何がえらいかはわからない。人気があった、というのならわかる。高野山を開くほどの金を集める力があったこともわかる。なぜそんなに人気と力があったのかは理解しにくい。

昨日の夕食の時、家内や娘たちと空海の話になった。
空海の思想について語りあうほどの私たちではない。

娘たちが小さい頃、あやめ池遊園地のOSKの公演をよく見に行った。あるとき、「空海」というレビューがあった。なにか、記念の年に当たっていたのだろうか。
どう考えても子供むきではなく、主役の「さがみさお」さんも、空海を演じるにあたって頭を丸めた熱意は認めるとしても、踊りまくり歌いまくるわけには行かず、全般に地味なステージであった。

その中で、OSKの女性たちが仏像に扮して、舞台に「人間曼荼羅」を展開したのが実に美しくすばらしかった。
娘たちも感激したのだろう。翌日、会社から帰って玄関のドアを開けて驚いた。長女と次女が、仏像風のポーズで、笑いをこらえて瞑目して座っていたのだ。

「おっ!空海!」

私が叫ぶと二人はげらげら笑い出した。最近の二人には、こういう父親を喜ばせようというサービス精神がかけている。

空海」を二人とも覚えていないと言う。
同じころ見たOSKの「クレオ」は覚えているだろうと思ったが、これも覚えていないと言う。

クレオという青年が愛を求めて宇宙をさまよう話である。

「♪愛を求めて 愛に傷つき はるか宇宙を一人さまよう
 行こう エンドレスラブトリップ 愛を求めて」

この歌は、当時我が家で非常にはやった。年長組であった長女が、OSKの男役そのままに、眉毛を寄せて思い入れたっぷりに歌う様子は、我が子ながらかわいいのを通り越してアブナイ感じがした。
次女は、幼稚園の机の上でこの歌を熱唱して、クラスの子があっけにとられていたそうだ。

夜、二人を寝かせる時、本を読んでやっていた。
ある夜、長女がお話をして、と言った。

「じゃ、クレオのお話をするよ。クレオが言いました。もっとお菓子をクレオ

一瞬の後、長女はわっと泣き出した。

「いやー!そんな変なお話、いやー!」

クレオ本編」は忘れたが、この変なお話のことは覚えているそうです。