若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

シャッターチャンス

披露宴で、娘は自慢の笑顔を振りまいていた。

まあ、自慢かどうかは知らないが、次女はふだんから笑顔を振りまく方だ。
会社でも、毎日3時ごろになると、愛想笑いのしすぎでほっぺたがひきつると言っている。

私がしょうもないダジャレを飛ばしたとき、長女は完全無視だが、次女は一応笑う。
憫笑、嘲笑、苦笑、いずれにせよ笑う。

写真撮影では、じょうずににっこり笑う。
赤ん坊のころからシッターチャンスを逃したことがない。
ふつう、「シャッターチャンスを逃さない」というのは、写す側の話だ。

次女の場合はちがう。
写される瞬間を逃さず、ニカーッと笑うのだ。
これはもう天才的というか動物的というか、恐るべき超能力ですよ。
次女が写った写真のほぼ100%、赤ちゃんのときから現在に至るまで、「いいお顔」をして二カーッと笑っている。

これは、母親似だと思う。
家内もシャッターチャンスは逃さない。
次女と少しちがうのは、写される瞬間、家内は目を閉じる。
家内の写った写真のほぼ80%、目をつぶっているか半開きである。
よくそういうことができるものだと感心する。

家内のそのDNAが、ややずれたんですね。

披露宴では、新婦に向けてシャッター押し続け状態になる。
だから、次女も笑顔を振りまきっぱなしだったのだ。
愛想笑いじゃないから、疲れはしなかったと思う。

生まれてからずっと家を出たことがなかった次女がいなくなって、長女がさびしそうである。

二人の小さいころを思い出す。
1歳4ヶ月ちがいの二人は、子供のころは実ににぎやかな姉妹であった。
食事の時など、二人でしゃべりまくる。
激しくしゃべりまくる。

特に次女は身振り手振りもハデにしゃべる。
小学一年のときだったか、学校で意地悪されたことがあった。
次女は、意地悪をした子と自分の人形を紙で作って、人形芝居でその場面を再現して見せた。

私と家内と姉をすわらせて、人形を操りながら、「やめてよ!森口さん!」などと熱演した。

そんな二人のどちらかが風邪でもひいて寝込むと、もう一方は、元気なのにがっく〜んと落ち込んだものだ。
食事もお通夜みたいになってしまう。
私たちが何か言っても返事もうつろである。

昨日今日の長女を見て、そのころを思い出す。
昔なら、お馬さんにでもなってやって機嫌をとるところだが、そうも行かないのが不便である。