新聞の広告。
「南極航路を行く地球一周の船旅」
よくある、中高年向けの「クルーズ」の広告だと思って見ていたら、「ピースボート60回記念」と書いてある。
「ピースボート」というと、若者が、発展途上国を見る旅だと、ぼんやり思っていた。
ぼんやりついでに、ぼんやり読んだ。
「南極が危ない」
こういう書き方、気に入らんね。
南極は危なくない。
人間が危ないだけだ。
南極は、たくさんの氷を威張っているわけではない。
減ったからといって、焦ったりしないし、恥に思うことはない。
「かけがえのない南極が失われようとしています」
誇大広告と言っていい。
南極旅行への勧誘としては、やりすぎだ。
南極の氷が減ろうがなくなろうが、南極は危なくない。
「ピースボートはその南極へと向かいます」
何しに行く?
南極の危機を見つめに行く。
南極で、氷がとけているのを見て危機を実感しようというのだ。
私たちにできることは、「クーラーの温度を上げること、車に乗る回数を減らすこと」だと書いてある。
では、地球一周の船旅はいいのか、とつっこむのは素人の浅はかさ。
南極で、氷がとけるのを見学した後は、エンジンを止めて、客の手漕ぎで帰って来るのだ。
暑くてもクーラーはいれない。
そのかわり、南極の氷を叩き割って、船に積みこむ。
やっぱり、南極は危ないかな。