若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

読書鳴弦の儀

原田敬一著『日清・日露戦争
岩波新書の「シリーズ・日本近現代史」の一冊である。

日清戦争日露戦争に関心のある人が読む本である、などと言うと、また相田みつをさんにいちゃもんをつけられる。

読んだっていいじゃないか。
関心がなくったって。
人間だもの。

さて、日清日露戦争に関心のない相田みつをさんのような人のために、この本に「御湯殿の儀」というが出てくる。
いや、相田さんが日清日露戦争に関心がなかったかどうかは知りませんよ。

とにかく「御湯殿の儀」です。
皇室に子供が生まれると、毎日の湯浴みの時に「読書鳴弦の儀」が行われる。
湯浴みの最中に弓を持ってきて、ビヨヨ〜〜ン、ビヨヨ〜〜ン、と鳴らす。
魔よけだそうです。
赤ちゃんは泣くと思いますが、やるんですな。

そして、読書役が漢籍を読み上げる。
孝経、史記五帝本記、礼記中庸篇など。
赤ちゃんは嫌がると思いますが、やるんですね。

これが平安以来の伝統であった。
古臭い、ということか、1902年の「皇室誕生令」により命名の夜だけの行事になった。
簡素化である。

そして、1905年に生まれた高松宮のときは漢籍ではなく「大日本史神武天皇篇」の一節を読み上げた。

これからは、漢籍ではダメだ!
日本じゃ!という空気が盛り上がっていたようである。

日清日露戦争と関係があるようだ。

ウチの長女が生まれたとき、毎日枕元で『源氏物語』を読んで聞かせると言った私の父は、進んでたのかずっこけてたのか。

「読書迷言の儀」ですね。