若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

自画像

仕事が、金曜の午前中ですんだので、上野に出て東京芸大美術館に行った。

NHKTVで紹介していた、「自画像展」を見るためである。東京芸大では、創立以来、油絵科の学生に、卒業制作として自画像を描かせて保管してきた。創立120周年記念とかで、今回、数千点の中から百数十点を展示してある。
有名な画家の「卒業制作自画像」は、画集などで見たことがある。この展覧会は、有名無名とりまぜたもののようだ。

NHKの番組では、「卒業以来、一枚も描いてません」という人もいた。なるほど、そんな人もいるのかと、妙に感心した。その人は、絵は、売れなければゴミを作ってるみたいなものだ、と言って、音楽で生計を立てているのだ。
音楽は、すぐ消えていくのでゴミにはならない。
う〜む、私も、絵を描こうなどという気を起こさず、ギター一本でいくべきかもしれない。

さて、「自画像」。第一号から、暗い絵が続く。もとは明るかったのが、古びて暗くなったのか。
「戦後」になって、一気に明るくなる感じだ。「戦後」と言っても、「戦中」から数年たっただけなのに、一気に親しみを感じる。私たちと、そう変わらない若者に見える。

昭和30年代の絵がないので、受付の若い女性に聞いたら、「財政難と、油絵科だけの特権だ」という批判が出て、自画像制作が中止になったらしい。
「財政難」というのもわからないが、買い上げる金がなかったのか、保管場所に困ったのか。

復活してからの、昭和50年前後から、いわゆる「自画像」はほとんどなくなる。「なんだ、これは?」という絵が多い。

俳句を作れ、と言ったら、
「ぱせて」
短歌を作れと言ったら、
「そ5に+¥もは^_^;れ」

こんな感じだ。
伝統的「自画像」は、終わったのかな。もう、「自画像」を描かせるのは、やめたほうがいいのかもしれない。いや、「自画像」を描けといったら、こんなものを描いた時代もあったんです、という証拠の品として、続けるのがいいかもしれない。
「ヘンな自画像」を見てると、国立芸術大学というのも、続けた方がいいのか、やめたほうがいいのか、どっちだろうと考えてしまった。