「忘却とは忘れ去ることなり」というのは、昔々の超人気ラジオドラマ『君の名は』のイントロのセリフですね。
子供だった私にとっては、意味不明の呪文のような、ふか〜〜〜い意味のある言葉のような、きわめて印象深い言葉でした。
一昨日、奈良公園付近を歩いてたら、向こうから二人連れの女性がやってくる。
三十代くらいかな。
私を見て、パッと顔を輝かせた。
若い女性が私を見て顔を輝かせるのはよくあること、それはよいとして、なんだか見たことのあるような二人である。
にこにこと近づいてくる。
う〜ん・・・だれだったかなあ?
「若草さん!おひさしぶりです!」
「あ・・・どーもどーも・・・」
こういうとき、あせりますね。
料理教室の先生かな。
こういう年頃の、見覚えのある女性が二人。
「え〜っと、料理教室の・・・」
「いえいえ!」
二人は笑い出した。
母がお世話になってた介護施設の職員さんでした。(-_-;)
母が亡くなって三年。
十四年お世話になった施設の記憶も薄れてきたんですね。
休日、仲良し二人で奈良公園を歩いてたそうです。
母が大変お世話になったことを思い出し、それを忘れかけてたことを思い、しみじみいたしました。