1961年の松竹映画です。
有馬稲子の映画を見たくて買いました。
高知県の事故多発する断崖絶壁の曲がりくねった道路を走るバスの運転手が佐田啓二、車掌が倍賞千恵子、佐田啓二のもとの恋人が有馬稲子です。
いちおう「青春恋愛もの」のようです。
アマゾンで、買った人の評を読みました。
4人が評を書いてます。
4人全員が、「青春恋愛」じゃなくて、なつかしいふるさとの今は廃止されたバス道路を見ることができて感激したと書いてます。
全員一致で「道路!」というのは珍しいと思います。
それだけでこの映画は値打ちあると思いました。
で、この映画を見て私もなつかしい道路だと思いました。
ふるさとじゃないのになつかしい。
ボンネット型のバスが出てきます。
バスファンが泣いて喜びそうなおんぼろボンネットバスです。
バスファンだけではなく「1960年ごろファン」も泣いて喜びそうな映画です。
ボンネット型のバスを見て思い出しました。
私が大学生1年生の時、大阪の町工場でアルバイトをしました。
1965年かな。
その工場には、四国中国九州の中学を卒業した若者が大勢働いてました。
高知出身の藤田さんという女性がいた。
彼女が、国に帰るのに国鉄とバスを乗り継ぐと言いました。
「バスでもこの辺を走ってるバスじゃないよ。ほら、あの犬みたいな形のバスじゃ」
ボンネット型のバスを「犬みたい」というのが新鮮に聞こえました。
その工場に、織田さんというおじさんがいた。
ある日、織田さんが藤田さんの後ろを通るとき、お尻をさわった。
藤田さんは大声で、「なんちゃ〜ね!織田さん!人の尻さわりよって!」と叫んだ。
「なんちゃ〜ね!」という叫びが新鮮に聞こえた。
久々に私の脳に聞きたい。
なぜ、真っ赤になって「なんちゃ〜ね!」と叫ぶ藤田さんの顔をおぼえているのだ。