若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

引退

今日は自治会の防犯パトロール

集合場所の公園には10人集まってました。

出発前、自治会のドン、防犯パトロール隊の創設者であるAさんが爆弾発言。

「ワシももうすぐ85になるから引退させてもらいまっさ」

みんな黙り込んでしまった。

このところ歩くのが急速に衰えて、公園出発後は完全別行動になってました。

 

「Aさんあればこそのパトロール。Aさんがいなくなればパトロール隊はどうなるのだろうか」とみなさん心配してたと思います。

思いは同じのAさんは言葉を続けて「パトロール隊が解散するようなことになれば自治会に防犯担当者を置いて・・・」というようなことまで言いだした。

 

Aさんは2005年2006年2007年と3年続けて自治会長を務めた。

イヤイヤ1年がふつうのこのあたりではきわめて珍しい。

そして2013年2014年も自治会長。

この時は怪しげな宗教家が自治会長に名乗りを上げたので危機感を持ったAさんが復帰したということです。

 

会社をやめて家にこもってたAさんを「自治会長でもやりなさい!」とドンと背中を押したのは奥さんだそうです。

その奥さんが「これほど自治会に入れ込むとは思わなかった」とあきれるほどの打ち込みようでした。

私は2015年にAさんから会長を引き継いで、いろいろ教えてもらったんですが、ほんとに「自治会命!」の人だと感心しました。

年に一度の町内一斉清掃のとき、Aさんがバス停付近の清掃に非常にこだわった。

「バス停はウチの自治会の玄関やないか!」

この言葉に感心しました。

私は一斉清掃初体験で何もわからなかった。

他の役員は「公園」とか「バス通り」とか担当が決まってた。

「私はどこを担当するんですか」

「会長は全部をまわるんや」

「は~、ぶらぶら歩いてたらいいんですね」

「ちがうがな!」

Aさんが顔を真っ赤にしたのもなつかしい思い出です。

 

2015年、30代の若いサラリーマンが副会長を引き受けてくれた。

その人が自治会のバス旅行に参加しなかったことをAさんが「副会長が自治会行事に参加しないとは何事か」と激しく非難したのにはカチンときた。

「サラリーマンが平日のバス旅行に参加できるわけないでしょう!」

「有給取ったらええやないか!」

「Aさん、現役時代自治会の役員をしたことあるんですか!?バス旅行に有給取って参加したことあるんですか!?」

Aさんが顔を真っ赤にして黙り込んだのもなつかしい思い出です。

 

公園に集まった皆さんもそれそれにAさんの思い出がよみがえって黙り込んでしまったと思います。

わが自治会でのAさんの存在の大きさをしのばせるしみじみと重い沈黙であった。