若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

映画『張込み』

DVDで『張込み』を見ました。

昭和33年の映画で、原作は松本清張です。

東京で強盗殺人を犯した男が、別れた恋人が暮らす九州の家に立ち寄るのではないかと刑事が列車に乗り込むところから始まります。

白黒の映像が美しいと思いましたが、音はちょっと聞き取りにくいかな。

出だしはすごいです。
横浜駅で、二人の刑事が動き出した列車に飛び乗る。
満員の夜行列車が東海道線を走り続けて山陽本線に入って関門トンネルを抜けて佐賀に着くまで、見事にとってあります。

電気機関車蒸気機関車になってまた電気機関車になってまた蒸気機関車
たいへんでしたね。

大学生のころ、大阪の町工場でアルバイトをしたことがあります。
その工場で働いてた若い女性が、お盆休みに故郷の鹿児島の家まで帰るのに18時間かかると言ってたのを思い出しました。

冒頭の列車の場面がこの映画の一番いいとこだと思います。

さて、刑事が元恋人の家を探し当てると、なんと、真ん前が旅館なんです。

旅館を見つけた刑事が、「おあつらえ向きだな」というんですが、たしかに「おあつらえむき」もいいとこです。

旅館の二階からエンエンと女の家を見張るんです。

何事もなく数日すぎて、あきらめかかったころ、女が外出する。
刑事が女を追って行くと、お祭りの行列にぶつかる。
広い道路を進むお祭りの行列と道の両側の大勢の見物客。

女を見失って焦る刑事が、道路の真ん中に飛び出して走り回るのはちょっとどうかと思った。

目立ちすぎですよ。
お祭りの行列より目立ってる。

おかしなとこもありますが、私の子供のころの空気を思い出せてよかったです。
昭和30年代の日本映画は、そういう楽しみ方ができるので、いいと思います。