若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

『夜の蝶』

ヘンな映画を続けて見たので、ちょっとはまともな映画を見ようと思って買いました。

昭和32年の大映映画です。
京マチ子山本富士子、船越栄二、山村總、芥川比呂志ほか、有名な人がぞろぞろ出てます。

舞台は銀座で、一流(?)バーのマダムの意地の張り合い男の取り合いという、ハデな騒々しい映画です。

昭和32年の銀座の一流バー、わびしいです。
びんぼうくさいです。
当時の銀座の一流バーって、こんなしょぼい内装だったんですか。

映画の中で、日本の人口8千万、東京は8百万と言ってます。

銀座は人影まばら、京都ときたら過疎の町という感じです。

一流バーですから、客はすごいんですよ。
政財界の大物、文化人が集まる。

京都祇園から山本富士子が銀座進出!
迎え撃つのは京マチコ!
二人ともなかなか恐ろしいです。

終わりの方で、泥酔状態の山本富士子が車を運転して、猛スピードで100キロか200キロか走り続けて事故も起こさず、狙い定めた山村總と京マチ子の車に決死の体当たり、がけから落ちて京マチ子と共に死ぬんです。

特攻隊です。
他にも戦争の影は見えます。

とちゅうもすごかった。

ず〜っと銀座か祇園の女の話だったのに、何の説明も断りも相談もなく、突如というか突然というか唐突にというか、場面はどこか知らんけどたぶんどこかの大学病院の実験室になる。

実験室では、芥川比呂志が、ただでさえ深刻な顔をさらにゆがめてウサギを絞め殺す。
いや、絞め殺したんじゃないのかもしれんけど、絞め殺したような顔をしてる。
助手の女性が、絞め殺す手伝いをさせられるのが嫌なのか、死んだウサギを触るのが嫌なのか、実に不機嫌で、実験室は険悪な雰囲気である。

険悪な雰囲気の原因はウサギだけではなくて、二人の関係にもありそうである。

いったいこれはなんだ!?と思わざるをえない。
ちがう映画がまざっちゃったとしか思えない。

う〜む、と首をひねってるうちに、山本富士子が登場して、ご紹介が遅れましたが実は芥川比呂志に惚れていて結婚したくて、山本富士子と結婚したがっている山村總から借りたカネで、貧しい医学研究性である芥川比呂志を援助してるということがわかる。

わかるけど、よくわからん。

有名な俳優がぞろぞろ出るし、大映としては力を入れた作品なんだと思います。

ヘンな映画とは言いませんが、イヤ、やっぱりヘンかな。