テレビで見ました。
『ホンドー』というのは、主人公の名前です。
昭和二十年代の西部劇でジョン・ウエイン主演で当時話題の「立体映画」ということで、かなりひどい映画じゃないかと期待して見たんですが、ふつうでした。
大平原にポツンと家が一軒だけあって、母親と男の子が暮らしてるところへジョン・ウエインが現われて、母親とジョン・ウエインはすぐに心をひかれあう。
この女性の夫は、どういうわけかわからんが家を出たまま長いこと帰らない。
さてこの二人の行く末は、というのがひとつの流れ。
そしてこの地域に住むアパッチ族と騎兵隊との戦いの行く末は、というのがもうひとつ流れ。
この二つが絡み合うよな絡み合わないような、典型的西部劇ですが、まあマシだと思いました。
男と女の行く末は気をもませる割にあっさり片付く。
ジョン・ウエインが夫を誤って撃ち殺してしまうんですが、この夫は奥さんに言わせると「臆病で自分勝手な最低の男」なんで、まあ、よかったよかったという感じなんです。
ジョン・ウエインと未亡人と男の子は、カリフォルニアの牧場で幸せに暮らすのだと思います。
アパッチ族と騎兵隊の戦いの方はちょっとひねってあります。
白人がアパッチ族との約束を破ったことが戦いの原因なんです。
激しい戦いの末アパッチ族は敗れるんですが、締めのセリフは「一つの生き方がなくなる。これはしかたのないことだ」というもので、ここでしみじみしてもいいかなという感じです。
疑問に思ったのは、なぜこれが「立体映画」かということです。
一か所、槍だったか、客席に向かって飛んでくる場面がありましたが、とくに「立体映画」にする理由があるとは思いませんでした。
長い映画じゃないのに、途中で「休憩」があるのも不思議でした。
「立体映画」は目が疲れるからですかね。
もう一つ疑問に思ったのは「字幕」です。
「インディアン」というセリフが字幕ではすべて「先住民族」になってるんです。
たとえば、アパッチ族が来たのを見た男の子が、「インディアンだ!」と叫ぶんですが、字幕では「先住民族が来た!」になってる。
「インディアン」は差別的表現ということになるのかもしれませんが、いくらなんでも「先住民族が来た!」はヘンだと思いました。