テレビで、西部劇映画『勇気ある追跡』を見ました。
番組の紹介では、父親を無法者に射殺された若い女性が、凄腕保安官(ジョン・ウエイン)を雇って追跡する話だということです。
そういう予備知識があったので、映画のはじめにお父さんが登場した時、大変立派そうなお父さんだけど、すぐ殺されるんだなと思いました。
撃ち殺されるために出てきたんだな。
この人が撃ち殺されなけらば話が始まらないんだな。
どんなふうに殺されるんだろうか。
お父さんには悪いけど、そう思って見てました。
ところが、どんなふうにもクソもない。
あっけなくわけもなく撃ち殺される。
射殺は予期していた私でさえ、「え!ここですか!」とびっくりしました。
もうちょっと引っ張ってもいいんじゃないか。
もう一工夫あってもよかったんじゃないか。
そう思うのは私だけみたいで、殺された男の娘さんも、嘆き悲しむ様子もなく、けなげにというよりあっけらかんと追跡に移る。
「私、この映画には追跡のために出演してるんで、父の死くらいで嘆き悲しんでる暇ないんです」
で、ジョン・ウエインが登場するんですが、黒い眼帯なのでびっくりしました。
前に見た映画でも、黒い眼帯の、無茶苦茶に悪者を殺す保安官でした。
同じ保安官です。
シリーズものなんでしょうね。
今回も、容赦なくというか、気軽に撃ち殺してました。
追跡に入ってからも無茶苦茶でしたが、いちおうめでたしめでたしで終わったんだと思います。
景色はきれいだなと思って見てたんですが、映画の最後に「謝辞」が出てて、農務省、森林局、国立公園局なんかの名前が出てましたから、観光映画の面もあるんですかね。
映画のはじめに、三人の男の縛り首による死刑執行を大勢の人が見物したり、そのために宿泊施設が満員だったり、この保安官が南北戦争後は強盗だったり、インディアン保留地の話が出たりしたので、監督は、素晴らしい景色と、アメリカ史豆知識も提供しようと思ってたのかもしれません。