ローマ数字というのがあります。
Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴというやつです。
知ってると言えば知ってる。
知ってる中で一番大きな数字は「ルイⅩⅥ世」くらいかな。
アメリカの第18代大統領ユリシーズ・グラントの『回想録』を読んでます。
「CHAPTER Ⅰ」が「第1章」というのはわかります。
「CHAPTER X」が「第10章」もわかる。
では「CHAPTER LⅩⅠⅩ」は?
わかりません。
目次を見ると最後の章は「CHAPTER LXX」です。
で、そのページを開くと「CHAPTER 70」となってます。
で、「LXX」が「70」ということはわかるけどなぜ目次がローマ数字で本文はアラビア数字なのかはナゾです。
単なる『回想録』というより『南北戦争回想録』です。
章の小見出しを見ても「ナッシュビル進撃」とか「チャタヌガの戦い:勇敢なる突撃」とか「ミシシッピ作戦」とか、そんなのばっかりです。
最後の「第70章」の小見出しは、「戦争の終結。ワシントンへの進軍。リンカーンに関するこぼれ話。ワシントンでの大観兵式。リンカーンとスタントンの性格。各部隊指揮官評」
アメリカ人にとっては、歴史の教科書、小説、劇、映画、テレビ、漫画なんかでおなじみの話、有名なエピソードがいっぱい出てくるんだと思います。
関心ないので飛ばし読みですが、そういうとこを飛ばすとほとんど読むとこない。
南北戦争だけじゃなくてグラントの結婚のいきさつも書いてある。
士官学校を卒業して部隊に配属された。
部隊の近くに士官学校でいっしょだった男の家があって休日に時々訪ねた。
兄が二人と幼い妹が二人いて楽しかった。
そのうち寄宿学校にいた17歳の妹が卒業して帰ってきた。
グラントによれば「彼女が帰ってきてからどういうわけかわからないがその友人の家に行くのがますます楽しくなった。そしてどういうわけかわからないが訪問回数がどんどんふえていった」
楽しい日々が続いていたんですがグラントに遠くの部隊への転属命令が出た。
そのとき初めてグラントはどういうわけかわかったそうで、彼女と結婚することになります。
戦争が終わってすぐ、北軍の総司令官グラントは妻とともにリンカーン大統領夫妻から劇場への招待を受けた。
グラントは断ります。
戦争で長く会ってない息子の顔を一日も早く見たかったんです。
その劇場でリンカーンは暗殺された。
北軍総司令官として大統領の下で戦ってきたグラントはリンカーンの手腕と人柄にほれ込んでたようです。