「PHP」というのは「繁栄によって平和と幸福を」という意味で、松下幸之助さんが掲げた理念として有名です。
アメリカの第18代大統領ユリシーズ・グラントの『回想録』を読んでたら「PHP」が出てきました。
「南北戦争後、アメリカは大発展を遂げたので、国内で平和と幸福と繁栄を維持し、国外で尊敬を受けるのはそれほど難しいことではない」
グラントは南北戦争、松下幸之助は第二次大戦、二人とも戦争の悲惨さを体験して「PHP」になったんですね。
グラントのヨーロッパ諸国に対する警戒心はすごいです。
ヨーロッパからアメリカを守るために強大な軍備が必要だと力説してます。
「ヨーロッパの君主国にとって共和国アメリカは邪魔ものである。彼らはアメリカの発展を妨げようとしているだけでなく、崩壊を願っているのだ。アメリカが発展すればするほど彼らの敵意も大きくなる」
グラントは、アメリカは新しい時代の夜明けにいると書いてます。
「南北が融和してすばらしい国になるだろう。私はこの目でそれを見ることはできないが、そんな時代が来ることを心から信じている」
国内の最大の課題は人種問題だと書いてます。
黒人と白人は平等であるとしたうえで、黒人だけの州を作ったらどうかと考えてたようです。
今のアメリカはグラントの目にどう映るんでしょうか。
先にアイゼンハワーの伝記を読みましたが、二人とも「人生は運だ」と言ってるように思います。
「運だ」とは言ってないけど、グラントは「人生は神の計らいである」と言ってる。
アイゼンハワーは「自分の力だけではどうにもならないことがある。人との出会いが大事だ」と言ってます。
二人は共通点が多い。
共に貧しい家に生まれ、陸軍士官学校に進んで努力を重ね、一人は南北戦争、一人は第二次大戦の英雄として大統領になった。
こういう人なら「オレだ!」となりそうに思いますが。