アメリカの第18代大統領ユリシーズ・グラントの『回想録』を読み返してます。
以前読んだ時は南北戦争の話は完全に飛ばした。
先日読み終えたリンカーンの伝記の中で南北戦争についてちょっとかじったので読み返す気になったんです。
南北戦争の英雄の回顧録ですから一部始終実にくわしく書いてます。
あまりに詳しいので今回は完全とは言わないけどやはり飛ばし読み。
グラントは陸軍士官学校を出てメキシコ戦争に従軍したんですが戦後陸軍をやめてます。
給料が低かったみたい。
いろんな仕事に手を出すんですがうまくいかず、やっぱり軍人しかないかと思ってたら南北戦争が起きて北軍に招かれて志願兵の訓練に当たった。
そのうち部隊を率いて転戦することになった。
どんどん出世して北軍総司令官的存在になる。
ついに南軍の英雄リー将軍を追い詰めて降伏勧告する。
「さて私とリー将軍の初会見の話をする前に有名なリンゴの木の話をしておこう」
アメリカ人なら誰でも知ってる南北戦争のエピソード「リンゴの木の話」があるんですね。
どんな話か。
「戦争では多くの感動的な物語が生まれる。ほとんどは些細な事実に基づく作り話である。
私が降伏勧告のためバブコック将軍をリー将軍の元へ遣わしたとき、リー将軍はリンゴの木にもたれていた。ただそれだけのことなのである」
そこからどんな有名な話が生まれたのか書いてない。
日本人が読むとは思ってないから書いてなくても仕方ない。
さて、グラント将軍とリー将軍の初会見。
ここで日本人としては乃木将軍とステッセル、水師営の会見を思い起こしてもいいかもしれない。
私の親の世代なら思い起こすとこですよ。
進軍中だったグラントは汚れた軍服のままで剣も持っていなかった。
待ち構えていたリー将軍は仕立てたばかりかと思える軍服に身を包み下げた剣はちょっと見たことがないという立派なもの。
「この時リー将軍が南軍を象徴する見事な剣を降伏の印にうやうやしく私に差し出し、私がそれをつつましく辞退したという有名な物語は完全な作り話である」と書いてます。