録画してあった映画を見ました。
1957年のアメリカ映画です。
南北戦争の動乱を背景に、才覚と度胸でたくましく生き抜く南部の男をクラーク・ゲーブルが熱演!というと『風と共に去りぬ』を思い浮かべますよね。
それを当て込んだ作品だと思います。
話の始めからわけわからんので、いったいどうなるのかと最後まで見たけど、結局わけわからん映画であった。
見始めてすぐかっくんとなる映画が多いけどこれも「すぐかっくん映画」です。
時は南北戦争の前、ケンタッキーの大農場で何不自由なく育ったかわいいお嬢さんが、12、3歳になったので父親が都会の女学校に入れる。
母親は亡くなってます。
「お嬢様を立派な淑女にいたします」という感じの女学校に入ったと思ったら、次の画面は「月日はあっという間に流れて」もう卒業です。
ということはあれから数年、お嬢さんは番茶も出花の(古!)18歳くらいと思ったら、どう見ても30過ぎてる。
お嬢様を演じるイヴォンヌ・デ・カーロが当時35歳だからしかたない、とは言うもののかっくんとなる。
女学校で先生がピアノを弾いてる。
フォスターの「草競馬」です。
それを聞いてた牧師さんがこわい顔をして「そんな情欲をかきたてるような曲を」と軽蔑したように言うんですが、「草競馬」ってそういう曲なんですか。
牧師さんの頭がおかしいだけ?
そこへ農場から知らせが来て、お父さんが死んだというんです。
お嬢さんはあわてて農場へ急ぐんですが、着いたらなんと葬式の最中なんです。
一人娘のお嬢さんですよ。
喪主抜きで葬式?
キリスト教だから「親族止め焼香」がないくらいは許せるけど。
と思ってたら悪そうな男が登場してお嬢さんに恐るべき真実を伝える。
農場は破産して奴隷たちを売り払うことになった。
悪いのはあの女だ!と指をさす。
誰かと思ったら女学校でピアノを弾いてた先生なんです。
何でお嬢さんより先に着いてるの?
お父さんと先生はあやしい関係だったみたい。
追い打ちをかけるように男はさらに恐るべき真実を告げる。
なんと、お嬢さんは父親と女奴隷の間に生まれた子供だったんです。
奴隷の子は奴隷ということでお嬢さんも奴隷として売られる。
奴隷市場でお嬢さんを買うのがクラーク・ゲーブルです。
いろいろわけのわからんことがあるんですが最後には二人の愛が勝つ!
二人は手に手を取って船に乗りにっこり笑って明るい未来へ(たぶん)旅立つ。
なんの話か?
原作はピュリッツア賞受賞作家ロバート・ペン・ウオレンということなんでまじめな問題作なんだと思います。
原題が「BAND OF ANGELS」で、それがなんで「南部の反逆者」になるのか。
謎だらけの映画であった。