最近、私は日本のテレビをあまり見ない。
衛星放送で、北朝鮮国営テレビを楽しんでいる。特に、ニュースの時間が大好きである。あの、女性アナウンサーのファンになってしまったのである。
私は、彼女が画面に登場するのを楽しみにしている。
まず、いかめしい表情で、目を吊り上げ、口をへの字に曲げて、アメリカ帝国主義の邪悪な策謀を糾弾したかと思うと、一転、不自然極まりない作り笑いを浮かべ、晴れやかな声で、将軍様生誕の家の上空に出現した不思議な虹の報告をしたかと思うと、またも一転目を吊り上げ、口をへの字に日本国の不誠実さを罵ったかと思うと、手のひらを返したようにヘラヘラ笑いの猫なで声で、将軍様が北朝鮮人民に、人文字用の色紙を八百万枚プレゼントしてくださったと口をとんがらせ声を震わせる。
この、精神分裂病的百面相、冠婚葬祭同時進行的才能を、日本の放送界が放っておくわけが無い。すでに、水面下では、彼女を巡って巨額の金が動き、激しい争奪戦が繰り広げられているのである。
某民放は、契約金3億円と、彼女をメインキャスターにした番組、「アンニョンハセヨ!金正子で〜す!」を用意して交渉中といわれる。
彼女に触手を伸ばしているのは、民放ばかりではない。NHKも、契約金こそ1億円だが、視聴率アップの切り札として、紅白歌合戦の総合司会を任せるという条件で打診中とのことである。
彼女は、紅白の総合司会に乗り気といわれ、小林幸子風の衣裳で、宙吊りで司会をするという線で、NHK入りが濃厚である。
今年の「紅白」は楽しみである。
北島三郎を紹介するときは、あのいかめしい顔、モーニング娘を紹介するときはニコヤカにと、彼女の多彩な百面相が楽しめるであろう。
きのう、四月からの新番組の紹介があったが、見ていて腹が立った。
北朝鮮の「拉致専門特殊組織」を舞台にした、子供向けアクション番組がはじまるというのである。拉致事件に軍用犬が使われていることは知られているが、この番組の主人公は、拉致専門に訓練された大型コリー犬で、番組のタイトルは、「名犬ラッチー」という。
このような非常識極まりない番組を許すわけにはいかない。強く抗議するものである。