サダム・フセインが米軍に見つかったとき
「撃つな。私はイラクの大統領だ」
と言ったそうだ。
「私は、○○の大統領だ」と言う自己紹介の言葉は、使う場面が極めて限られると思う。
昔、インドの大統領が西ドイツを訪問した時、空港に出迎えた西ドイツ大統領が、手を差し伸べて、
How are you?と言うつもりが、
Who are you?と言ってしまった。
ムカッとしたインドの大統領が、
「私はインドの大統領だ!」と言ったことがある。
これなどが数少ない使用例だろう。
「なせばなる、ナセルはアラブの大統領」と言うせりふを知っている人はかなりのトシだ。
このせりふが使えなくなって、さびしい思いをしている人は多いと思う。
私は、ナセル亡き後も、しばらくは
「なせばなる、ムバラクはアラブの大統領」と強引に使用していたが。
うっかりした一言でトシがばれることがある。
二十年ほど前、今の散髪屋に通いだした頃、主人と若いときの髪型の話になった。
私は、「慎太郎刈りにしていた」と言った。
主人は、はさみを止めて私の顔をまじまじと見て
「お客さん。若こ見えるけど、かなりのトシやね」と言った。
「慎太郎刈り」というのは、石原慎太郎さんデビュー当時の髪型ですよ。
若かりし頃は、とんでもないヒンシュクものの若造だったのである。
そういう人は大体トシをとるととんでもないヒンシュクもののじいさんになる。
How are you?→Who are you?のような、言い間違いを集めた本を持っている。
アメリカの、ラジオやテレビの放送から集めたものだ。
これが全然面白くない。
なぜか?
たぶん洋書だからだと思います。
英語の本なのだ。
どこが言い間違いなのかさっぱりわからんのである。
なぜこんな本を買ったのか。
私が愚かだったからだ。
私にも愚かな時があったなどと、自分自身信じられないし、誰も信じてくれないだろうが、あったのだ。
この本でひとつだけ分かった言い間違い。
料理番組で、先生が
「オリーブオイルをフォーク二杯分入れてください」