若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「ピエロ・デッラ・フランチェスカの謎」

私の本棚にあるこの本は高い。
6200円だ。
この本を私は読んでいない。
買ったけれど読んでいないという、私にしては珍しい本だ。

新聞の書評を見てすぐ本屋に注文した。
「著者、カルロ・ギンズブルグが、ルネッサンスを代表する画家の一人、ピエロ・デッラ・フランチェスカと、そのパトロンやモデルについて綿密に調査し、彼の絵にこめられた意味を明らかにする」というのだ。

私の好きな画家なので楽しみにしていた。
本屋で主人が手渡した本の表紙を見て、私はこけそうになった。
ちがう!

表紙は、間抜けな感じの三人のおっさんの絵だった。
私は、表紙は、あの有名な「受胎告知」に違いないと思っていたのだ。
どういうわけか、私は「フラ・アンジェリコ」について書かれた本だと勘違いしていたのだ。
共通点は「フラ」だけなのに。

勘違いで6200円の本を買ってしまったショックで、私は未だにこの本を読んでいない。

二十年ほど前、娘達にディズニーの「ダンボ」を見せてやろうと思った。
私が小学校一年の時、学校から「ダンボ」を見に行って感動した記憶があるからだ。

レンタルビデオ店に行った。
当時、小さな怪しいビデオ店がたくさんあった。
私が行きつけのその店も怪しかった。
その頃は、VHSとベータが同じように置いてあった。
ウチはベータだった。
その店は、ベータはほとんどダビングしたテープだったのだ。
「コレ、ちょっと画質悪いんで、百円まけときます」
そんな店だった。

カウンターのにいちゃんに、「『ダンボ』ある?」
「ありますよ。お〜い、ダンボ!」
カウンターの後ろに黒いカーテンがあって、その奥からテープを持ってくるという、ホントに怪しい店だった。

もちろんテープにはラベルも何もない。
早速上映開始。
まず、ジャングルが映った。

娘達が、「これ、ダンボ?」と聞いた。
「予告編やから、待ってなさい」
エンエンとジャングルが映る。
予告編にしては、おとなしすぎるな〜、長すぎるな〜、本編という感じやな〜。
兵隊が出てきた。
戦争アクションみたいである。

突如、タイトルが出た。
ランボー」!?!?

思わず吹き出してしまった。
娘達は怒りましたねー。
「なに!これ!」「パパ!ダンボとちがうの!?」
私は笑い転げた。
その私を、娘達はののしり、たたき、けり、踏みつけ、ひっかいた。

らんぼー娘だ。