朝私が降りる駅で、最近三人連れの女子高生に会う。
私と逆方向に行くのでいつもすれ違う。
某私立女子高の制服を着て、たぶん運動部だと思える大きなバッグを肩からさげている。
この子達が、実にまったくなんとも見事に徹底的に完璧に焼けている。
まっくろけだ。
ソフトボールか、ホッケーか、他のどんなスポーツをしているのか知らんが、どうしたらそれほど黒くなるのか聞きたいほど黒い。
はじめてこの子達を見たときは思わず笑ってしまったほどだ。
見ているだけでうれしくなるほど黒い。
顔つきは可愛い方ではないはずだが、あんまり黒いのでよくわからんし、ここまで焼けていると、なんちゅうか、それだけで可愛いと思う。
あまりの黒さに、いまいましいじゃなかった、いたいたしい気がするのだ。
これほどまっくろけに焼けるまで一生懸命がんばっているんだな!と思うとすれ違うとき涙が出そうになる。
でも、すれ違いざまに泣いたりしたらヘンに思われるから、必死で涙をこらえている。
この子達を見るのが最近の私の朝の楽しみだ。
今朝、駅で私の前を別の女子高生が歩いていた。
これまたとんでもない子だ。
なにがとんでもないと言って、スカートがとんでもない。
「そこらのミニスカートはミニスカートとちゃいます!これがホンマのミニスカートでっせ!」と言わんばかりのミニスカートだ。
「ミニスカート」というより、腹巻をちょっと下げたという感じだ。
このミニスカ娘が、しゃなりしゃなりと歩いていく。
むこうからまっくろけ三人娘がやってきてすれ違った。
まっくろけ三人娘は、ミニスカ娘のミニスカートをじっくり観察してから、ミニスカ娘の顔をじっと見た。
そして、すれ違った瞬間、三人娘は顔を見合わせて、「おーっ!」とばかりニカーッ!と笑って、大げさに上半身を後ろにそらしてずっこけて見せた。
むむ、スカートだけではなく、顔にも何かしかけが!?
私はあわてて急ぎ足になってミニスカ娘を追い抜いて顔を観察した。
なるほど!
「そこらのつけまつげはつけまつげとちゃいます!これがホンマのつけまつげでっせ!」と言わんばかりの、ぼーぼーたるつけまつげであった。
私は女性のメイクアップについては詳しくないので、ひょっとすると、つけまつげではなく、つけまゆげ、あるいは紫外線から目を保護する日よけだったのかもしれない。