きょうは、はなちゃん、ことちゃんの顔を見に神戸に行ったんですが、神戸市営地下鉄で女性専用車両に乗ってしまって10分ほど気づきませんでした。
「女性専用車両」について気にしたことはありません。
一番よく利用する近鉄奈良線では、平日通勤時だけ、快速急行だけ、いちばんうしろの車両が女性専用だからです。
あることは知ってたけど気にしなくても良かった。
神戸市営地下鉄に女性専用車両があることも知ってました。
が、これも気にしなくても良かった。
降りる駅の階段を考えていつも前から二両目に乗ってたからです。
ところが、今日近鉄電車が遅れてしまって、神戸市営地下鉄の乗るとき電車がホームに入ってきてた。
で、前に急いだんですが発車しそうになったのであわてて飛び乗ったら、女性専用車両だったんですね。
ぜんぜんまったくちっとも気づかなかった。
すいてました。
座席半分くらいかな。
すわって、はなちゃんに持っていく絵本を開いて読んでました。
こねこちゃんがカレーライスを作る話です。
読んでたら、向かいの座席の女性の視線を感じた。
黒いパンツスーツの30代半ばと思える女性であった。
にこやかに私を見てた。
はは〜ん。
こねこちゃんの絵本を読んでる私を見て、お孫さんに絵本を持っていくやさしいおじいちゃん!ほほえましいわね、と思ってるんだろう。
若いながら、慈愛に満ちた笑顔である。
好感を持ってしまった。
意識過剰かもしれんが、チラチラ私の方を見ているようであった。
次の駅で乗ってきた女性が、私の隣にすわった。
意識過剰かもしれんが、その女性がまた私をチラチラ見ているようである。
なぜ見るのだ。
その人を見ました。
目鼻立ちと顔の色からして、インド系ですな。
インド系の若い女性が、私をチラチラ見る。
それはいいんですが、うさんくさそうに見る。
向かいの女性のほほえましそうな笑顔とは大違いである。
はは〜ん。
彼女は、私がこねこちゃん絵本を読んでるのでヘンなおじさんと思ってるのか。
インドにはこういう子供向けの絵本はないのかもしれない。
あるいは、ヒンドゥー教では猫は悪魔の使いであって、カレーライスを作るなど、とんでもないことなのかもしれない。
うさんくさそうにチラチラ見られても、冷静に文化的宗教的考察をめぐらすインテリの私であった。
彼女が、二つ目か三つ目の駅で降りたのでほっとしました。
ヒンドゥー教か何か知らんが、うさんくさそうにチラチラ見られるのは気分悪い。
ほっとして、向かいの窓ガラスを見たとき、そのステッカーが目に入ったのであった。
「女性専用車両」
え!?
「終日」
なぬ!?
あわてて車内を見回す。
あの人もこの人も、どの人も女性だと確認。
焦って席を立つとき、向かいの女性を見たら、慈愛に満ちた笑顔と思ったのは間違いで、ただ単におもしろがってるだけのようであった。
好感を持って損した。
ひとつだけ言いたい。
女性専用車両では、女性専用の服装をしてもらいたい。
いくら鈍感な私だって、乗った車両が、ピンク、パステルカラー、白地に赤の水玉、ミニスカート、ハイレグレオタード、ビキニの水着だらけだったら、即座に女性専用と気づいてたと思います。
でも、今日の地下鉄はちがったんです。
まっくろけというかなんというか、地味作業着野良着という感じの人ばっかり。
確認作業に手間取りました。
いや、客に押し付けるのはよくないか。
女性専用車両の内装をピンクにしてもらうべきか。
マリー・アントワネット好みの、と言いたいとこだけど、マリー・アントワネットは地下鉄車両の内装には興味ないか。
まあ、ちょっと焦ったのであった。