朝刊の一面トップ。
「発明の中村氏に200億円」の大きな見出し。
その下に、記者会見で中村さんがウハハと笑ってるカラー写真。
日亜化学工業の社員だった中村さんの「青色発光ダイオード」の発明に対して、200億円もの巨額の対価を支払えという東京地裁の判決が出たというのだ。
なぜこういう下品な記事をトップにするのだ。
いかにも三流新聞という感じがする。
スポーツ新聞の全面カラーグラビア、「巨乳三人娘!」と同レベルだ。
「巨乳」に目がくらむのも「巨額」に目がくらむのも似たようなもんだ。
私のような上品な読者は目を背けたくなる。
こんな写真をのせるなんて、朝日新聞は中村さんに恨みでもあるのか。
よほどうらやましいのか。
中村さんは記者会見の間ずっとウハハと笑ってたのか。
他に写真は無かったのか。
私なら200億円手に入れるハメになっても、ウハハと笑ってる写真を一面にのせて欲しくない。
せめて笑いをかみ殺している写真にして欲しい。
社会面や経済面にもたくさん関連記事がある。
「研究成果に対する報酬」とか「企業内研究者と企業との関係」とか、どうでもよい記事ばかりだ。
そんなことより、中村さんが、「上司から散々イヤミを言われた」ことや「社長から『即座に研究をやめろ』と言われた」ことなどを詳しく書いて欲しい。
それにしても200億円は巨額だ。
大手化学メーカーの幹部は、こんなことでは会社がつぶれるかもしれないと危惧している。
事実、この判決を聞いて、日亜化学工業の倉庫の「青色発光ダイオード」は真っ青になったということだ。
朝日新聞の写真で、前から聞きたかったことがある。
女子テニスの選手の写真だ。
なぜいつも、「フンギャー!」と歯をむき出した、「コンチクショッ!」「コンニャロ!」「クソッ!」「死ねっ!」という表情の写真ばかりのせるのだ。
相撲やボクシングや柔道などの格闘技の選手でも、女子テニス選手のような恐ろしい表情の写真がのることはない。
いつも気の毒に思って見ている。
私が女子テニスのチャンピオンの座につくハメになっても、あんな写真はのせて欲しくない。