新聞に、節分には「お化け」と言って、男が女装したりする風習があった、という記事が出ている。
かすかに「お化け」という言葉は幼い頃の記憶にある。
節分の豆まきは、今はすっかり子供のための行事になってしまっているようだが、昔はまともな、真剣な行事だったのだろう。
地方によっては、今でも真剣かもしれない。
伯母の日記にも、昭和のはじめ、伯母が勤め先から夜遅く帰るのを待って、豆まきが行われた様子が描かれている。
うちのお隣では、毎年、ご主人の、「鬼は外!福は内!」という声が聞こえた。
去年奥様を亡くされて、東京へ越されたので今年からは聞くことができない。
私も、子供の頃は真剣に家中に豆をまいて回った。
娘達が、二、三才のころ、会社の帰りに豆を買って帰ったことがある。
豆には、鬼の面がついていた。
私は家の前で鬼の面をつけて、こっそり忍び込んだ。
家内と娘達は夕食の最中だった。
私は、そ〜っとドアを開けて鬼の面の顔を出した。
一瞬ぎくっとしたようだが、家内と上の娘はすぐニヤニヤ笑い出した。
下の娘は、怯えきった表情で呆然と私を見つめていた。
サービス精神にあふれた私は、「ギャオーッ!」と恐ろしい叫びを上げて、下の娘に向かって突進した。
娘は箸も茶碗も放り出して血相を変えて飛んで逃げた。
私が面をはずしても、しばらく部屋の隅っこで震えていた。
小さい子供さんのおられる方にはおすすめです。
私は子供を恐がらせるのが好きで、よく泣かせては家内に叱られた。
しかし、子供相手に手抜きはいけないのでむつかしいところである。
「豆まき」は厄払いの行事だ。
東京プリンスホテルでは、「厄払い同窓会」を提案している。
厄年に同窓会をしてはどうかというのだ。
「厄払いの儀」つきで、料金が「8900円」で「やく払い」というのがおしゃれではないか。
インターネットの「検索機能」は非常に便利だ。
「節分」で検索すると
「京都大学霊長類研究所。分子生理研究部門器官調節分野」
「東京大学医科学研究所。免疫調節分野」
などが出てくる。
なんとかならんのか。