若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

愛国無罪

中国で、反日デモが暴徒化しているようだ。
なんとなく勢いで参加している人が多いと思う。

デモに限らず、大勢でやることはわけのわからんことが多い。
最近、一番わけがわからんのは、「NHK受信料不払い」だ。NHKの度重なる不祥事に怒った国民が受信料の支払いを拒否していると新聞には書いてあるが、うそでしょう。
気軽にやれて、ちょっとおトクで、誰からも怒られないからやっているだけだ。
税金の無駄使いに怒って、納税拒否ノー税運動を起こす、というならわかる。

昨日だったか、新聞の投書欄を読んであきれた。
サッカーのワールドカップ予選、「日本対バーレーン戦」を子供づれで見に行ったお母さんの投書だ。
バーレーンの選手が紹介されると、ブーイングが沸き起こったそうだ。
遠来のチームに対して情けない話だ。
ひょっとすると、これはサッカーの「お約束」、「しゃれ」みたいなものなのかもしれないが、そうだとしても悪いしゃれだ。
とにかくサッカーはダメだ。

「遠来のチーム」というのは死語になっているのか。
遠来のチームを拍手で迎えるようでなければ、いくら国旗を振り回してもお国のためにならない。

中国のデモのニュースで、「愛国無罪」というプラカードがあった。
文化大革命のときの、「造反有理。革命無罪」を思い出した。
「反抗するには理由がある」はわかったが、「革命に罪はない」がわからなかった。どういう意味なのか。どういう気持ちを表しているのか。

愛国無罪」もよくわからない。
むちゃくちゃをしますが、「愛国」なので見逃してください、という意味だろうか。

このデモに関して一番恐ろしいと思ったのは、中国の人の投書だ。
中国では「愛国者」は尊敬されます、というのだ。
今から九百年ほど前、異民族金の侵略に対して勇敢に戦った南宋の武将岳飛は、愛国者としてあがめられ、今も中国最大の英雄だそうだ。
彼を裏切った「売国奴」たちの像が、「岳飛廟」にすえられていて、参拝客はいまだにこの像を鞭打ち、蹴り、つばをかけると書いてあった。

ほんまかいな、と思ってインターネットで見ると、たしかに「つばをかけるな」という張り紙があるそうだ。
九百年前の南宋の裏切り者の像につばをかけるというのもわけがわからん。
反日デモは半日ではすみそうにない。
九百年は覚悟した方がよさそうだ。