若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

バイブル

きのうの人物画教室では、あの人のパレットが楽しみであった。

先週、先生から、パレットの絵の具の数が多すぎると注意された人だ。
その人は、昨日も教室に来るとすぐ、自分の持っている絵の具をすべてパレットにならべた。
しゃーないですな。

マリリン・スコットの『油彩の実践バイブル』には、まず九色から始めなさい、と書いてある。
この本は、「Printed in China」である。

十数年前、家内が、知り合いの子供のプレゼントに、クリスマス絵本を買った。
小さな出版社の本だったが、「印刷:コロンビア。製本:エクアドル」と書かれていて、なんじゃこれは?!と思った。

それにくらべれば、「Printed in China」は、あーそーですか、という感じだ。

イギリス人が書いた本を、中国で印刷して、日本人が読む。
あーそーですか。

『油彩の実践バイブル』の原題は、『The Oil Painter's Bible』だ。
出版社がつけたのだろうが、おこがましいともいえる。
「バイブル」という言葉が、軽く使われている。

イスラム教国で、絵を描くのは禁止だろうか。
油絵は禁止されてないとしても、『油彩の実践コーラン』という題は、禁止だろうと思う。

「神業」も禁止だし、「ゴッドハンド」も禁止。

「バイブル」には、宇宙のすべてと、人生の指針が書いてある。
絵を描く人に、すべてを教えてくれるのがバイブルだ。

かつての共産国なら、『油絵党宣言』か、スターリンの『油絵論』

中国なら、『油絵論語

日本に、「バイブル」という概念はあるだろうか。

ウチは、神道だ。
神道に聖書なし」

これは便利な文型で、愛用というか、常用している。
神道に彼岸なし」「神道にお盆なし」

仏教のバイブルは、お経か。
「お経みたいな」とは、わけがわからん、ということだ。

「バイブルとは、わけのわからんものである」

健全な言明だ。
数あるお経の中で、『般若心経』は、短いので愛用者が多い。
短くても、わけがわからないことにかわりはない。

それで、解説本がたくさん出るが、これが、長くてわけがわからない。
どうせわけがわからないなら、短い方がいい。

さて、『油彩の実践バイブル』は、手ごろな長さで、中味も充実した名著で、感激のあまり、『油彩の実践バイブル」を手にぶるぶるふるえた。

「駄洒落のバイブル」を読んだ方がよさそうだ。