9月30日に書いたA君のお父さんに今朝会った。
「おお!若草君!元気にやってるか」
朝、自転車に乗って近所の「温泉」に行っているそうだ。
88歳にしては立派なものだ。しかし、「若々しい」というのではない。なんとなくカンロクがないように思える。「バッチング」と言ったりしたことが50年後にも尾をひいている。
それに、なんと言ってもおっちゃんはウソをついた。
何度か野球に連れて行ってくれたが、その最後のときに、今度ドジャーズが来るから連れて行ってやると言ったのだ。
夢のような話だった。楽しみに待っていたのだが、おっちゃんはドジャーズを見に連れて行ってくれなかった。「バッチング」は許せてもこれは許せない。
10年ほど前、おっちゃんに会ったとき、この話をした。
「うわ〜!えらいことおぼえてるねんな〜!」
頭をかくおっちゃんを見て、ずっと気にしていたんだなと思った。
土曜日は、母のいる施設に行った。
唯一会話ができるNさんと話す。
まあ、なんちゅうか、複雑な印象であった。
楽しい陽気なおじいさんと思っていたが、いろいろありますなー。
ぼけたからそういう面を見せるようになったと言うより、この人はそういう面を見せる人なのだろう。
日曜は、伯母の一周忌。
あのテノールの和尚さんだ。
伯父は足が弱って老人ホームに入っていた。
一周忌の法要がすんでから伯父に会いに行った。
93歳にして、頭脳明晰である。
母はこの兄を非常に尊敬していた。
中学から高校を受けるのに飛び級で受けて一番で合格したそうだ。
昨日、伯父は徴兵検査を受けて入隊した鉄道連隊でも一番だったので、近衛師団に配属されたと言った。
近衛師団も一番で「卒業?」で、「答辞?」を読んだそうだ。
厳しい伯父である。
さびしそうであるが、大きなお世話であろう。
老人ホームで友達はできたかと聞くと、案の定首を振った。
よろいを脱いで茶飲み話ができるタイプではない。
どこの馬の骨ともわからんものを相手にできるか、「なんのなにがし」と名乗りあってイザ勝負!というタイプだ。
93にもなったんだから、と思うが大きなお世話であろう。
私のことを、来年は還暦というのに、と思う人もあるかもしれんが、大きなお世話だ。