若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

子供

伯母の一周忌のため電車で出かけた。

よちよち歩きの女の子を連れた若い両親が乗ってきた。
電車はすいていたので、父親が子供をひざに乗せて座ったが、もちろんじっとしていない。父親はあきらめて女の子を下ろした。この子は車内を走り回りたいのだ。歩きはじめたばかりなのだから当然だ。

走り回ると危ないので父親が子供の腕を握って放さないのも当然だ。
女の子は父親の手をふりほどく。
父親は右手を放すと左手でつかむ。左を放したら右。

見ているだけで面白いが、父親はとうとう根負けして両手を放した。
それ以外の展開は考えられない。

放すと同時に女の子はすっ飛んで行った。
父親もあわててついていくが、こういう場合不思議に転ばない。
オムツでふくらんだお尻を振りながらうまくバランスをとっている。

一周忌の法要がすんで一同で会食。
五歳の女の子と三歳の男の子がいた。
なかのいいいとこ同士だから、二人でふざけて走り回る。

「ハワイは楽園ですな」「いや私はシンガポールが」と話す老人達の周りを、「ここが私たちの楽園ですよ」という感じで走り回る。

何度目かに私のほうへ走ってきた男の子を、私の自慢の機関銃で「ダダダダッ」と狙い撃った。
男の子は「チュンチュンチュン!」と撃ち返してきた。
走りながらの見事な連射である。
子供はよろしい。

先日、新聞に、図書館に赤ちゃんを連れて行ったお母さんの投書が出ていた。むずかって泣き出したら、年配の男性に「うるさい!」と怒鳴られたと言うのだ。こういう男には二度と図書館を利用させてはいけない。

図書館が公共の場であることが理解できていない。
いろんな人が来るのだ。
こういう男は村社会にも市民社会にも適応できない反社会的人間であるから、ムチ打ちの上追放、島流しにする必要がある。

赤ちゃんの泣き声はよろしい。
電車やバスで泣き声が聞こえると、もっと泣け!と思う。火がついた様に泣いているとうれしくなる。そういうとき、親の顔は引きつっている。おかあさん、こんなときもありますよ、と言ってあげたい。

そんな私だから、三人の子供を育てていて、夜泣きや、あれがほしい、これを食べないなどと言って泣きわめくわが子に目を細めたと思ったら大間違いだ。

顔を引きつらせていたのであった。