若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

市田柿

みんな市田柿が好きだ。
百人いれば百人とも好きだ。
こうなると好みの問題ではない。
人間は市田柿が好きなようにできている。

人間とは道具を使う動物であるとか、いや、火を使う動物だ、ちがう、言葉を使う動物だなどと色々言うが、「人間とは、市田柿が好きな動物だ」というのが一番単純明快な定義だ。

私は市田柿が好きです、とあらためて言う気はしない。
人間だもの。
地球上にいる限り、市田柿が好きですなどと言う必要はない。
あまりにもわかりきったことだからだ。

宇宙に行けば別だ。
宇宙人に会ったら、私は市田柿が好きです、と言おう。
くれるかもしれない。

市田柿は平和の象徴だ。
歴史に「もしも」は禁物だが、もしもドイツに市田柿があったら第二次大戦は起きなかっただろう。
ヒトラー市田柿を食べながらポーランド侵攻を決意することなどありえない。
ヒトラー市田柿を食べながらポーランド侵攻を決意する姿を想像できるという人は頭がどうかしている。

私は特に市田柿が好きというわけではないがよく食べる。
人間だもの。
市田柿というものは、いつの間にか店頭から姿を消す。
私は特に市田柿が好きなわけではないので、店頭から姿を消した市田柿を求めて町をさ迷い歩くようなことはしない。
さびしさに耐えかねて市田柿の夢を見る程度だ。

今年も市田柿を見かけなくなった、さびしい!と思っていて、ふとひらめいた。
インターネットの時代である。
市田柿の産地直送通信販売があるかもしれん。

調べると確かにあった。
ただし、どの業者も販売は一月でおしまいだった。
どうしても食べたいというわけではないが、がっくりきた。

そんなある日、朝日新聞市田柿の通信販売の広告がでた。
ほんとか?
どこも一月で終わってるのに。

どうしてもほしい!というわけではないが、半信半疑で注文した。
お一人様三パック限り。

来ました。
おいしい市田柿であった。(^o^)丿

一日一つずつだいじに食べていたがついになくなった。
さびしい!と思っていたら、昨日その業者からダイレクトメールが来た。
まだあるというのだ。
かくしてたのか!
こんちくしょう!

なんとしてでも食べたいというわけではないが、せっかくダイレクトメールをくれたことだし、注文した。
早く来てほしい。