若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

『ラテン語の話』

ラテン語文法入門」という感じの本である。

別に入門したくて買ったわけではなくて、著者にひかれて買ったのである。
新聞でこの本の広告を見て、著者逸身喜一郎と書いてあったので、あれれと思った。中学、高校と逸身喜一郎という人がいたのだ。
非常に頭のいい人で、中学高校を通じて常に学年で一、二番だったと思うが、私は彼と席次を競っていたわけではないからくわしいことは知らない。
いつも穏やかな微笑を浮かべていたように思う。

印象に残っているのは、中学の時、彼が生徒会誌に「民主主義の原理について」みたいな文を書いたことだ。同じ年でこんなこと考えてるやつがいるのか、と感心した。

彼が大学の先生になったという話は聞いたことがあるのだが、私は中学の時の印象から、政治学か法学だと思い込んでいた。ラテン語をやるとは思いもしなかった。まあ、中学、高校から、こいつは将来ラテン語をやるなというような予測はつかないだろうが。
で、別人かもしれないと思って買ってみたら、「1946年大阪生まれ」とあるから、たぶん彼なのだろう。

ラテン語については何も知らなかったが、この本で驚いたのは、ラテン語では人の名前も変化するということだ。

「I」「my」「me」も習い始めた時はとまどったのだろうが慣れてしまっている。「主格所有格目的格」

「ブルータス!お前もか」.。これはブルータスに呼びかけている文章だ。
日本語では「ブルータス!」だが、ラテン語では、「ブルート!」になるそうだ。「ブルータス」は主格で、「ブルート」が呼格。人の名前が、文章のどこにきてどんな機能を果たすかで変化する。そんなあほな。

若草鹿之助の呼格も変化しますよ。
剣を振りかざして迫る暗殺者達の中に私を見つけたシーザーは叫ぶ。

「ワカクソ!おまえもか!」

ね、変化してるでしょう。私はラテン系です。

ラテン語には、主格、属格、与格、対格、奪格、呼格がある。呼格はわかりました。主格は主語になるときの形だろう。属格は英語の所有格みたいなものらしい。対格は目的格。
奪格は・・・この本を読むとわかります。

「逸身くん、与格は知ってますよ」
「ほう、えらいね」
「♪へいへいほ〜〜う、へいへいほ〜〜う」
「それは与作や。え〜かげんにしなさい!」
「ホントにネッ!」