若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

カンガルー

昨日家に帰ると、小さなカンガルーのぬいぐるみがあった。

甥のたけし君のオーストラリア土産だ。
高校一年生でオーストラリアにホームステイとは結構な時代である。

出発前、お餞別を渡したらお礼の電話がかかった。
その時私が、お土産にカンガルーがほしいとおねだりしたのだ。

「カンガルーか・・・う〜ん、大きすぎるなあ」
「じゃあコアラでもいい」

というようなわけで、たけし君は私にカンガルーのぬいぐるみを買ってきてくれたのだ。
もちろん中国製で、カンガルーというよりウサギみたいに見えるが、おなかに子供が入っているのでカンガルーなのだと無理やり納得させられる。

カンガルーは好感度の高い動物だと思う。
おなかに子供を入れているのと、ぴょんぴょん飛ぶので、子供は誰でも喜ぶだろうと思うが、ひょっとするとインドの子はカンガルーが嫌いかもしれない。
なんとなくそんな気がする。

たけし君のカンガルーを見たとき、自分でも信じられないが、突如、大学の英語の授業を思い出した。
ロレンスの『カンガルー』という小説を読んだのだ。

卒業以来、カンガルーと接する機会はいくらもあった。
なぜ今になって突然思い出すのか。
しかも、内容は全然覚えていない。
たぶんオーストラリアが舞台だったのだろうが、すべて忘れている。

思い出すのも不思議だが、忘れるのも不思議だ。

私は、このオーストラリア土産のカンガルーのことを忘れるであろう。
そして、いつの日にか、たけし君にもらったカンガルーのことをふと思い出せればいいと思う。

ふと思い出すのは楽しいことだが、まず忘れなければならない。
一日も早くこのカンガルーのことを忘れよう。