今度の発表会でベンチャーズの曲をやるのでギターを買った。
フェンダー社の「ストラトキャスター」というギターで、これが軽い。愛用のギブソン・レスポールに比べて半分くらいに感じる。まあ、半分ということはないだろうが、とにかくうんと軽い。
どれくらいちがうのだろうかと思って今日計ってみた。ストラトキャスターが3.7キロ、レスポールが4.1キロ。なんと400グラムしかちがわない。
半分くらいではなく、1割軽いだけだ。納得できない。納得できないが、厳然たる事実を受け入れざるを得ない。
9月3日の発表会を控えて、今日が最後のリハーサルである。
教室に早めに行って、ウワサの小学4年生のギターを聞いた。
なにしろ、ブルースギターの名手スティービー・レイボーンの曲を弾くというのだからさぞかしすごい子なのであろう。お父さんとお母さんがついてきていた。小さな男の子だ。
指導の先生が笑いながら、
「若草さん、この子のギター聞いて、自信なくさんといてくださいよ」
「だいじょうぶです。なくすほどの自信持ってません」
うまかったです。お母さんに聞いたところ、5歳からやってるということだから、まあ、こんなもんでしょ。
その子のギターを聞いて、自信をなくしもせず、ひがみもせず、ねたまずそねまず対抗心を燃やすこともないところが私の性格のよさですね。
さて、ベンチャーズ「10番街の殺人」
ドラムのIさんは、ベンチャーズ一筋40年の人である。
発表会のたびに「ベンチャーズをやりたい」と言っていた。
ドラムの先生が、「お、Iさん、ついにベンチャーズやるんですか!」
「はい、念願のベンチャーズ、やります」
「良きリードギターを得て」と私はフォローした。
Iさんは「ふふふ」と笑った。
リハーサルで、Iさんは色々と注文を出す。これまでの発表会リハーサルでは、Y森さんのボーカルに集中していたが、何しろ今回はベンチャーズ、ボーカルなしのリードギター主役だから、水の低きに流れるがごとくIさんの注文は私に向かう。
Y森さん同様、私も何を言われても平気ですよ。
「若草さん、そこ、いつもつまづきますけど、むつかしいんですか」
「むつかしいですよ。弾いてみます?」
「い、いや・・・」
黙った方が負けという厳しい世界である。
さあ、来週本番だ。