若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「眠れる森の美女」

久しぶりでバレエを見に行った。

長女が、大学のころまでバレエをしていたので、私は、教室の発表会はもとより、いろんな公演を見、ビデオで世界のプリマの名演を鑑賞するなど、素人のなまかじりを重ねたちょっと困ったおじさんなのである。

どういうところが困るか。
何年か前、「草刈民代レニングラードバレエ」とかいうヘンな公演を見たとき、ロシアのバレリーナに混じった草刈さんがデクノボーに見えてしまう。

『眠れる森の美女』は、十数年前、キーロフバレエのビデオで初めて見た。
なんと美しく可憐な初々しいオーロラ姫かと感激したが、アップになったとき、あれ?この人はかなりトシだなと思った。
30半ばか、と思って解説を読んでびっくり。
オーロラ姫を演じたイリナ・コルパコワさんは、50歳前後のようであった。

このコルパコワさんこそ、古来女性の美徳とされている、やさしさ、気高さ、賢明さ、力強さ、その他すべてを一身に体現したプリマバレリーナであるとひれ伏してしまった。

昨日の舞台では、リラの精を踊った安積瑠璃子嬢が素晴らしいと思った。
立っている姿が美しいし、動きがすっきりしていて笑顔がよろしい。
大いに期待できる人である。
私に期待されてると知ったら、嫌がるかもしれないので、これは内緒です。

オーロラ姫に求婚する四人の王子が登場する。
そのうちの一人はロシア人ダンサーである。
このロシア人だけが、オーロラ姫をうっとりと見つめている。
いかにも、オーロラ姫の美しさに完全に心を奪われています!という感じだ。
ちょっとやりすぎと思えるほどで、口を半開きにして目を見開いてうれしそうに顔を輝かせている。
「この人、アブナイのじゃないか」という気もする。
しかし、舞台では、やりすぎくらいでいいと思う。

三人の日本人ダンサーは、ただ見てるだけだ。
そんなことではだめだ!と、困ったおじさんである私は、心の中で彼らを激しく叱りつけた。

最後の宮殿の場で気になったこと。
舞台後方にろうそくが三本ある。
もちろん豆電球だが、ろうそくに見えるようにかすかに点滅させてある。

真ん中と右のは、それなりにろうそく風にチラチラと点滅している。
ところが、左の豆電球は、約2秒ごとにきっちり「ピカッ、ピカッ」と、灯台風に点滅を繰り返していた。

それが気になって仕方がない困ったおじさんなのであった。