たまに、向こうのバレエ団の公演を見ると、美形揃いなのにあらためてあきれます。
きのう見た「ジゼル」の主役のバレリーナが、すばらしいべっぴんさんですばらしいスタイルなのは当然としても、大勢出てくる「村娘たち」が、ジゼルと変わらないくらいのすばらしいべっぴんさんですばらしいスタイルなのを見て、キミたちほんとに村娘か?その体格その体型でで野良仕事ができるんか、というような野暮は言いっこなしでございますが、それにしても、こういうのを二十人、背格好まででこぼこなしの同じようなのをよく取り揃えましたね。
きのう、ちょっとほっとしたのは、ジゼルの恋人青年貴族のアルブレヒトが、ずんぐりむっくりだったことです。
もちろん、街で見かけるずんぐりむっくりではありませんよ。
ボリショイバレエの中ではということです。
アルブレヒトが出てきたとき、「負けた!」という気はしませんでした。
ジゼルに思いを寄せる森の番人や、侯爵の家来が現れたときは、「負けた!」と思いました。
男前でスタイルが良くておまけにキンパツときては、私も潔く負けを認めざるを得ない。
アルブレヒトは、ちがいます。
ジゼルに、「この男のどこがいいの?」と聞きたい。
すらっとしてないし、太ももが太すぎると思います。
ま、好き好きだからいいけど。
アルブレヒト以外にも、男性陣はけっこうでこぼこがあった。
ボリショイバレエ入団は、きのう見た限りでは、女性にとっては、かなり厳しい狭き門のようですが、男にとっては、それほどでもなさそうに思えるので、まあ挑戦してみてもいいんじゃないでしょうか。
さて、「ジゼル」の見どころは、妖精たちの場面です。
暗い舞台で白い衣装の群舞が幻想的です。
無重力の世界というか、無体重というか、無筋骨、無関節、無節操、じゃなかった、とにかく軽やかかつなめらかな動きにうっとりします。
残念なのは、ジャンプして着地したとき、「トン!」と音がすることです。
これ、なんとかならんのかと、前から思ってました。
せっかく、無体重の世界に浸ってるのに、「トン!」と音がすると、「体重!」と思ってしまう。
「トン!トン!トン!」と音がすると、「体重!体重!体重!」と思ってしまう。
なんとかしてほしいです。