きのうは、家内と、フェスティバルホールのボリショイバレエ、「ドンキホーテ」を見た。
バレエを見るのは久しぶりだ。
本格的ロシアバレエは、はじめてである。
何年か前、「草刈民代とレニングラードバレエの若手たち」だったか、わけのわからん企画のバレエを見たことがある。
草刈民代さんの名前で客を呼ぶつもりだったのだろうが、これは草刈さんには気の毒な企画であった。
レニングラードバレエの若手たちに混じると、草刈さんがデクノボーみたいに見えたのだ。
「ドンキホーテ」は、関西で活躍する人たちの舞台を見たことがある。
ボリショイはどんなもんでしょうか。
第一幕、舞台がぱっと明るくなって、四、五十人の群舞、というところで、なんかヘンな感じがした。
なんだかおかしい。
現実感がないというか、ステージを見ていて、頭が引きつるような気分だ。
しばし考えて、わかった。
舞台に並んでいるのが、とんでもなくスタイルのいいべっぴんさんと、とんでもなくスタイルのいいイケメン君ばかりで、 これまた全員が、とんでもなくかっこよく立っていたり動いたりするのだ。
こういう人が、うじゃうじゃというかぞろぞろというか、大勢集まっているのが現実とは思えない。
美しいお人形さんが並んでいるみたいといいたいが、生き生きと動くので、そうもいえない。
まるでバレリーナみたいなというのが一番適当ないい方だが、この場合、それもおかしいので苦しいところだ。
いずれにせよ、よくこういう人たちを何十人も集めたなと感心する。
何十人どころではないんでしょうな。
しかし、サンチョパンサ役の人は大変なデブであった。
こういう役のために、ボリショイにも、あんなメタボ体型の人がいるのだなと家内に言ったら、あれは衣装の下にいろいろ詰め込んでるのだと馬鹿にされた。
そうかな。
ジャンプとか回転とか、単純ではあるが素晴らしかった。
こういうのを見ると、スポーツもまだまだだ。
100メートル走るのに、0.1秒速いとか言ってるようではだめだ。
羽飾りをつけて走るとか、ハイヒールで走るとかするようになって一人前だ。
ドーピングを禁止してるようではだめだ。
華美な格好を禁止するようになって一人前だ。
ボリショイバレエ、美しかったです。