東京のＹ君から、高校の同期会の報告。
Ｙ君とは8月の同窓会で卒業以来初めて会った。家が近かったので幼稚園からの付き合いである。
とにかく電気、電波が好きだった。中学のころ、電気、電波とは無縁の私に一生懸命電気、電波の話をした。私は聞いているふりをしていた。
おぼえているのは、彼が中学の時アマチュア無線を始めたことと、自分の家の玄関にブザーをつけて、私にボタンを押してみろと言うので押したら、家の中で「ビーッ！」という音がして、彼は、どーだ！という感じでうれしそうだったけどお母さんは浮かない顔だったこと、そして彼がよく口にした「ミツミパーツ」とかいう会社の名前だけだ。「ミツミパーツ」とは？
大学も電気電波、就職は電電公社という電気電波まみれの人生で、完全に帯電している。同窓会で会った時、なつかしくて握手した瞬間、パチパチッ！という音と共に指先から紫色の火花が飛び散り、彼の髪の毛が逆立ったので驚いた。
危ないじゃないかと言ったら、自宅の玄関には「放電棒」が設置してあって、帰るとまずそれを握ってから家に入るそうだ。ベルトから電線のようなものをたらして引きずっていたのはアースだったのだろう。
さて同期会であるが、鎌倉のハイキングコースを歩き、温泉に入り、イタリア料理とワインを楽しんで、合唱のあと俳句会をしたそうだ。
盛りだくさんである。
それはいいが「合唱」とは？「合掌」のまちがいでしょうな。また誰か死んだのだろう。
驚いたのは、Ｗ君が参加していたことだ。
『今日はラッキー！』に登場する数少ない高校の同窓生だ。
「東大に入るまで髪の毛を伸ばさないと宣言して丸坊主で通し、結局入れなくて今もツルツルなら楽しい話だが、現役で合格してしまって髪の毛をボーボーと伸ばしたダメな人」と紹介した人である。
Ｙ君によれば、ボーボーと伸ばした髪はいまや見る影もなく、さびしい状況であったとのことである。私とちがって、Ｙ君は意地悪な書き方をしますね。
Ｗ君は、「ボーボーと伸ばしたことなんかない！」と文句を言っていたそうだ。
どっちでもいいけど、私の前に出る時は、イメージをこわさないようツルツルでお願いしたい。
