若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

同窓会3

女性は二人出席。

一人は、二年下のKさん。
ウチの大学では珍しい、なよなよしたかわいらしい感じの人、という印象だった。
あいさつで、中学、高校と女子高だったので、学校もクラブも男性が多くて戸惑ったと話した。
あの「なよなよ」は、そういうことだったのか。

もう一人は、同じ学年のTさん。
この人は、なよなよもせず、可愛げもなかった。

可愛げのなさは今なお健在であった。
皆で飲んでいる最中に、幹事役のM君が、「次回の同窓会なんですが」と話し始めたとき、彼女がぼそりといった。

「え〜〜、またやるの?もういいんじゃないの」

ね、可愛げがないでしょ。
山形なまりでいうから、可愛げがないのを通り越して、凄みさえ感じました。

そのへんは本人も自覚していたようで、学生時代にこんなことを言っていた。
「子供のころから、聞かないので有名だったんだから〜」

小学校では「大鵬」というあだ名だったと言ってたことも思い出した。
「子供のころ、大鵬って呼ばれてたっていってたね」
「そうそう!似てたんだよね。・・・あ、顔がだよ!」

誰も「取り口」が似てたなんて思いませんよ。

一年先輩のIさんを交えて三人でしゃべるうち、ふと思い出した。

「Tさん、Iさんに謝ったか」
「なによ〜!」

彼女は私をにらんだ。
なるほど、大鵬に似てる。

Iさんたちが卒業するときのコンパで、Tさんが酔っ払って歩けなくなった。
男らしい体育会系の雰囲気のIさんが、「おぶってやろう!」といってしゃがんだ。
しゃがんだIさんにおぶさろうとした彼女は、背中めがけてゲーゲー吐いたのだ。

「なによー!おぼえてないよー!」
「思い出した!あの時着てたコートは、社会人になるからって、親が買ってくれたコートだったんだ!クリーニングに出しても、匂いが消えなかった!」
「なによー!若草さん、くっだらないこと思い出して!」

可愛げなし。

同窓会の帰りに、四年間暮らした巨大木造おんぼろアパート「日本アパート」を訪ねた。
駅からの道はおぼえていたが、町の様子はすっかり変わっていて、なつかしさはなかった。

当時すでに崩壊の危機に瀕していた「日本アパート」は、当然建てかわっていた。
なんと、名前が、「ジャパンハイツ」!

「日本アパート」から「ジャパンハイツ」への名称変更につき、色々思いをめぐらせながら帰途についたのであった。