ふと思い出すことがあります。
大学美術部のMくんのことを思い出した。
Mくんの絵のことは思いださない。
絵なんか描いてたかなあ、という感じです。
彼は、美術部室にギターを置いていて、よく弾いてました。
私は、楽器に関しては小学校のハーモニカもダメだったんですが、彼のおかげでギターを弾くようになりました。
私が46歳からエレキギターを楽しめたのも彼のおかげですね。
恩人と言ってもよろしい。
大学時代のギターと言えば、美術部の一年上のKさんは、どんな歌でも楽譜なしでギターで伴奏できるという不思議な人でした。
なぜそんなことができるのか聞いたことがあるんですが、Kさんは福島訛りでボソッと、「・・・わかるんだ」と言いました。
さて、Mくんですが、美術部でいっしょになったころ、彼と話してて、世界文学に非常に詳しいことを知った。
数々の名作を読んでるので感心しました。
そう言ったら、彼は笑って、読んだことないというんです。
受験生用の『世界文学あらすじ事典』みたいなのを読んだだけだというんですが、それにしてもよくおぼえてるもんだと感心しました。
そんなMくんのことを思い出したら、「世界名作事典」のことを思い出した。
中学生のころ家で買った平凡社の百科事典の付録についてたんです。
世界の名作のあらすじが書いてました。
そこで紹介されてた、「何たる乱脈さ」という作品のことを思い出した。
題名だけははっきりおぼえてます。
たしか、帝政ロシア末期の上流階級の乱れた生活を描いた小説だったように思います。
今、ネットで調べたけど、「何たる乱脈さ」という作品は出てきませんでした。
Mくんのことを思い出したら、「何たる乱脈さ」まで思い出してしまった。
なぜこんな題名をおぼえてるのか私の脳に聞きたいです。