若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

「国展」を見る

「国展」というのは、美術団体「国画会」の展覧会である。
見るのは、二十数年ぶりだと思う。

高校の美術部の顧問のS先生が、国画会の会員だったから、学生時代から、「国展」にはよく行った。先生から案内状が届くので、社会人になって、絵を描かなくなってからも、毎年大阪市立美術館に見に行った。
いつの間にか、案内状が来なくなって、先生も高齢で、出品されなくなって、私は国展に行かなくなった。今回は、高校の美術部の後輩のM君から、案内状が届いたので、久しぶりに出かけた。

先生がお元気なころは、日曜に美術館に行くと、いつも受け付けにおられた。あいさつすると、「じゃ、見てきなさい」ではなく、私といっしょに見て回る。
先生は、非常に口数が少ない人であった。いっしょに見て回っても、自分からは何も言わない。私が、ならんでいる絵について、好き勝手なことを言うのを、ふんふんと聞いている。

高校時代も、先生から何か言われたという記憶がない。好きなように描けばよろしい、という主義だったのだろうか。色々言われたのに、忘れているだけだろうか。

ひとつだけ、先生の言葉を覚えている。
大阪府高校美術展の会場でのことだ。

私は、一年後輩の女性の作品を見ていた。私の横には、作者と先生がいた。
題が「春昼」となっていた。
なんと読むのか聞いたら、彼女は、「シュンチュウです」と答えた。
「シュンチュウ?!けったいな題やなあ!」

先生が、憮然とした表情で言った。
「ボクがつけたんや」

たは。(-_-;)

美術部に四年いて、おぼえているのがこれだけというのも、不思議な話だ。
久々の国展、いろんな人がいろんな絵を描いていて、楽しかった。
絵は面白いなと思いました。