「カンテン」と聞いて、「カンテンパパ」がひらめく人は多いと思います。
ちがいます。
「官展」です。
兵庫県立美術館に行ってきました。
「官展に見る近代美術。東京。ソウル。台北。長春」という、展覧会です。
戦前日本が支配していた地域で行われた官主導の美術展を取り上げるというのが、かなりかわってますね。
まあ、美術展も腐るほどあるから、かなりかわってないと注目をひかない。
それでこんな展覧会をやるんだろうと思ってたいして期待せず行ったんですが、よかったです。
「植民地」でやる展覧会だからいろいろ難しいことはあるんですが、絵は楽しいと思えます。
今になって見るから楽しいんで当時は難しかっただろうとも思います。
雨の中、こんな展覧会に来る人は少ないだろうと思ってたんですが、私みたいに向学心にあふれた美術愛好家といえばいいのか、ヒマを持て余した物好きな高齢者といえばいいのか、結構な人でした。
予想を上回る力作ぞろいでした。
私の予想なんかネウチないけど。
「官展入選」すなわち「政府公認」ですからね。
描く方は力入りますよ。
2時から、記念講演「異郷の昭和美術。中国東北部の日本人社会と満州国美術展覧会」というのがあって、それを聞きたくて雨の中を出かけたんです。
「満州国美術展覧会」に関心があったわけではないです。
そんなもん知りませんでした。
そんなもんあったんか、そんなもんを調べてる人ってどんな人じゃ、という好奇心だけです。
雨の中こんな講演会に来る人は少ないだろう、十人くらいかなと思ってたんですが、私みたいに向学心にあふれた美術愛好家といえばいいのか、ヒマを持て余した物好きな高齢者といえばいいのか、60人以上集まりました。
若い人もたくさんいたので、そっちの方面を研究してる人かな。
朝鮮や台湾とちがって満州国での美術活動は、戦争の混乱で作品も資料も極めて少ないそうです。
最後の「満州国美術展覧会」は、初日にソ連軍が攻め込んできたため、開催されたといえばいえるしされなかったともいえるようです。
絵に賭けている人の絵は面白い。
↓先日の、美術予備校での裸婦デッサン会のデッサンをもとに描き始めました。
私のは「官展」じゃなくて「カンテンパパ」です。