昔は自分の奥さんのことを「山の神」という人がいた。
突如荒れ狂う得体の知れない恐ろしいものという感じだろうか。
箱根駅伝で久しぶりに「山の神」という言葉を聞いた。
今年はたいした波乱もなくあまり面白くなかったなどと口にすると、おまえは駅伝を楽しんでいるのか波乱を楽しんでいるのかどっちだ!と言われるだろうが、どっちかよくわかりません。
順天堂大学の今井選手が箱根の山をすばらしい勢いで駆け上った。
私なんか、杖をついて歩いても無理と思える坂道を、何人も抜き去って行くのだから、「超人的」くらいは当然としても、アナウンサーが何度も「山の神です!」と絶叫していたのはどうかと思った。
「お客様は神様です」は、イスラム教から見たら「死刑!」ものだと思うが、「山の神」は許されると思う。
「多神教か。遅れてるな」
一神教より多神教や仏教のほうが平和的だという人がある。
ほんとか。
仏教が伝わった国というと、チベット、ネパール、ブータン、タイ、カンボジア、ベトナム、中国、朝鮮、日本などである。
失礼ながら強そうな国はない。
中国も強い時は戦争を繰り返した。
何教であれ、まわりより強いと戦争するのではなかろうか。
神道が自然を尊ぶ教えだという人がいる。
ほんとか。
山の神海の神を敬っているのか。
以前から不思議に思っていることがある。
土木工事などの「起工式」「着工式」には神主さんが来て祈る。
マンションを建てる、トンネルを掘る、道路を作る、海を埋め立てる、ダムを作る。
その土地の神様に工事の安全を祈っているとも見えるし、自然破壊の先頭に立っているとも思えるのである。
テレビのニュースの、トンネルの起工式の最中に、突如神主さんが山の神にとりつかれて暴れだし、目をつり上げて、キエ〜ッ!我はこの山の神なり!このトンネルを掘ることは許さぬ!などと叫びだして、トンネル工事が中止になるという衝撃的事件がおきたら面白いと思う、などと言うと、おまえは自然保護を訴えたいのか、衝撃的事件がうれしいのかどっちだ!と言われるだろうが、どっちかわかりません。