若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

キミは、チャーチル全集を読んだか!?

文芸春秋』11月号に、京都大学教授中西輝政さんが、「小泉純一郎が福田を倒す日」という文章を書いている。

倒そうが倒すまいがどっちでもいいが、中西さんは、「安倍首相」を熱烈待望してきた人だ。あんなやめ方をされて、どんなにかくやしかっただろう。
くやしさのあまり、取り乱してあほなことを書いてるのじゃないかと期待して読んでみた。

安倍首相を倒したのは、「国民のサディズム」だそうです。松岡農相の自殺や、赤城農相の辞任くらいでは満足せず、もっとイケニエを出せ!と叫ぶ国民を前にして、「安倍首相は、わが身を血に飢えた観衆に差し出すしかなすすべを持たなかったのだ」そうです。

か、か、かわいそー。テロ特措法問題も、健康問題も、小沢代表との会談も関係なかったのか、と思ったら、何ページか後で、辞任の理由として、「やはり大きいのは、テロ特措法の問題である」と書いている。サディスト呼ばわりされた「国民」はどうなる。

くやしさのあまりとはいえ、相当な取り乱し方だ。そして、この文章の最後で、もう一度「安倍首相熱烈待望」をぶちあげる。

イギリスの大政治家チャーチルは、50代で失脚し、60代で海軍大臣として返り咲いた。安倍さんも、チャーチルを見習って修行に励み、再登板してもらいたいと期待している。
安倍氏の尊敬する政治家は、ウインストン・チャーチルだという。総裁室にはチャーチル全集の原書34巻を並べていたというし・・・」

中西さん得意の、「思わせぶり伝聞推定形」だ。並べてたのか、並べてなかったのか。並べてたとして、何がいいたい?安倍さんが、原書34巻を読破してエライといいたいのか。読めもしないのに、ええかっこして並べてるといいたいのではなさそうだ。
中西さんによれば、チャーチルがえらいのは失脚した後の生きかただ。
失意の十数年の間に、チャーチルは絵を描き、大部の伝記や大戦記を著し、後にノーベル文学賞を受けることになる。

安倍さんの再起を願って、励ますのもいいけれど、あんまりプレッシャーをかけないほうがいいと思います。お父さんやおじいさん、おまけにお母さんだけでもきつかったのに、もひとつおまけにチャーチルまで引っ張り出されたら、たまりませんよ、中西さん。