朝日新聞夕刊。
歌手のアーサー・キットさんが亡くなった。
私くらいのトシの人間にとっては、「有名人」でしょう。
「ショージョージ」とか「ウシュクダラ」などという、小学生男子好みの歌を歌った人だ。
別に、小学生男子をターゲットにした歌ではないが、小学生男子がとりこになったのである。
少なくとも私は、アーサー・キットが妖しい声で歌う妖しい曲に、かっくんとなった。
わが小学生時代の三大洋楽というと、「ウシュクダラ」「マンボイタリアーノ」「バナナボートソング」である。
妖しさで「ウシュクダラ」、迫力では、イントロの「♪デーオ!イデデイデデイデデイデデ・・・!」の「バナナボートソング」というところか。
いずれもアホらしい曲だ。
いや、ほんとはアホらしくないのかもしれんが、小学生男子にとっては、素敵にアホらしく聞こえた。
アーサー・キットさんが亡くなったと聞くと、わが小学生時代がついに終わった、という感慨にふけってしまう。
とっくに終わってますが、なんだかそんな気になる。
朝日新聞は代表曲として、「ウシュクダラ」をあげてなかった。
あれだけ当時の小学生男子の心をつかんだ曲を取り上げないのはどうかしてる。
そのかわり、「セシボン」をあげていた。
「セシボン」は、アーサー・キットでも知ってるし、ルイ・アームストロングの歌も有名だが、大阪で育った私にとっては、白羽大介さんの歌が耳にこびりついている。
今でも白羽さんの歌声が聞こえるほどだ。
大阪梅田新道の洋酒喫茶「セシボン」のCMソングとして、私の受験生時代、ラジオの深夜放送で繰り返し流れたのだ。
洋酒喫茶のCMソングというのも不思議ですな。
大阪ではそこそこ売れていた芸人白羽さんが歌った。
「♪ウ〜〜ン、セッシ、ボーン!よ〜しゅきっさセッシボン!」
「洋酒喫茶って、どんなとこかなあ?」と思いながら、受験勉強に励んでいたのであった。
どんなとこだったんでしょうか。