朝日新聞読者投書欄。
61歳の主婦が、嘆いている。
コーヒー飲料のメーカーが、子供達に、「缶けり」について調査した。
したことが無い子が多いし、知らない子もいた。
よくある話ですね。
で、昔を思い出してみる。
缶けりは、しました。
よくした、とは言えないと思う。
缶が、なかったんじゃないでしょうか。
今みたいに、缶飲料があるわけじゃない。
みかんの缶詰か、パイナップルの缶詰くらいか。
空き缶が貴重品だったというわけではないだろうが、缶詰は、結構貴重品だったと思う。
空き缶が貴重品だった時代もある。
フィリピンで終戦を迎えて、日本に帰ってきた兵士の話を読んだことがある。
帰り着いた九州の港に、米軍の船がとまっていた。
甲板で、缶飲料を飲んでいた米兵が、飲み終わると缶をポーンと海に投げ捨てたのを見て衝撃を受けた。
「こんな豊かな国と戦争をしたのか!?」と驚いたというのだ。
空き缶があふれかえる時代になって、缶けりがすたれる。
うまくいかんもんです。
時代が変わると色々変わる。
先日、「らっぽえ〜!」について、ネットで調べた。
子供のころ、「らっぽえ〜!」と叫びながらトンボをとった。
「らっぽ」というのは、ヤンマの一種だと思います。
大きな、青緑の美しいトンボでした。
とりかたが変わってた。
長い糸の両端に小石を結びつけ、「らっぽえ〜!」と叫びながら、飛んでいる「ラッポ」めがけて投げ上げる。
運がよければ、糸が「らっぽ」にからみついて、落ちてきたのを捕まえることができる。
「らっぽ」は珍しかったから、たまに見つけると、私たちはカンカンになって捕まえようとしたが、このやり方は効率が悪かった。
ネットで、昭和21年の思い出を書いてある文章を見つけた。
そういうトンボのとり方をしていた人だ。
その人は、効率が悪く思えるかもしれないが、当時は「らっぽ」が空一面うじゃうじゃ飛んでたので、そのやり方でも結構捕まえられたと書いていた。
「らっぽ」がうじゃうじゃ!
すばらしい。
十年ほどの間に、らっぽは貴重品種になったんですね。